元キャバ嬢の愛されテクニック~恋の七変化~

元キャバ嬢の愛されテクニック~恋の七変化~

【第4話】百合女

2014.9.16

「ちゃんちむさん。新し子が入ったので教育係お願いできますか?」

そう店長に言われ振り返ると
そこには今でいうメイドさん的な萌え系女子が立っていました。

「今までに水商売の経験は?」

姉御風を吹かせながら聞いてみると

「初めてですっっ!」

と初々しく答えた萌え系女子。顔も声もなかなか可愛いじゃ~ん?

そして女子には嫌われるけど客受けはいい天然っぽさ。

(天然で男受けするタイプは同性から見るとぶりっ子に見えるから同僚に嫌われる事が多いんだけどね(笑))

自然体でいれば下手に営業するよりも売れるんじゃないかな?とも思えるタイプの子でした!


だからテーブルマナーだけきっちり教える事にしたんだ☆

私のお客さんの席だったら気兼ねなくマナーを教えられるってことで
その日一日ずっと私の後に萌え系引き連れて仕事!

緊張してなかなかうまく話せなかったり、タバコに火を付けるタイミング逃しちゃったり、
仕事が終わる頃には気疲れでグッタリしてたりとか

自分の初めての接客を思い出して何だかホッコリしちゃった(笑)

ちゃんちむの初々しさカムバァーック!!!

酔っぱらいに付き合うのはもちろん、キャバ嬢オーラ全開の先輩達に囲まれてるのも疲れただろうし、気後れしてるから緊張をほぐしてあげようと思って閉店後に声をかけてみた優しいちゃんちむ(にっこり)

「今日は頑張ったから飲みに行こうか☆もちろん奢るよ!」

すると萌え系は涙目になりながら

「えっ・・・いいんですかぁ・・・水商売初めてだし、終わった後何したらいいかもわからなくて・・・教えてください先輩っっ!」

おいおい(笑)

仕事終わった後なんかドンキで化粧品無駄買いしてコンビニでちょっと買い物して帰ってDVD見ながらごろごろすりゃーいいんだよ(笑) 何に悩んでんだ(笑)ていうか、先輩って呼ばれたのいつぶり!(笑)

と色々突っ込みどころ満載だったけど
とりあえず行きつけのBARに連れて行きましたぞ。

店に入るなり

「こういうとこ初めてきた!感動!何か大人になった気分!」

とかいちいち感動してくれて連れて来た甲斐があったなと。後輩可愛いなと。


でも彼女とんでもないくせ者でした。


カクテル2杯で顔を赤らめ目を潤ませる彼女。

うるうるした瞳を伏せもじもじする彼女。

そして肩にトンッと頭を寄せ見つめる彼女。

肩を寄せた先がまさかの私の肩!!!

えっえっえっえっなななな何???

酔うと男女関係なく甘えたくなるタイプ?
それにしてもカクテル2杯しかもカルーアミルクでこんな状態?

店じゃそんなに飲んでないし閉店後に話した時もシラフだったような・・・。

私が彼女の頭を肩に乗せたまま固まっていると
彼女は言った

「ひ~と~り~じゃ~か~え~れ~な~い~~」

と。
何この漫画のような展開・・・私が男だったらおいしいんだろうけどねぇ。
こいつ何か面倒くさいオーラ出し始めたわ~

正直仕事で面倒くさい人の相手ばっかりしてるんでね!プライベートでまで関わりたくないんだよね!

ささっと帰しましょ♪そうしましょ♪

会計を済ませ外へ出てタクシーを捉まえると
腕に引っ付いて離れない彼女を引っぺがしタクシーに押し込む私。パンツ丸見えな萌え系女。

「今日は飲みすぎちゃったみたいだし疲れてると思うから帰ったらすぐに寝なよー?じゃあまた明日!」

「・・・めそめそ・・・ふぇ~ん!」

え?まじ?泣かれたんだけど。

女の涙ってずるい!男の気持ちが心底理解できる瞬間がくるとは(笑)

結局家まで一緒に来てくれたらいい子に寝るってゴネられて
その子の部屋まで肩を貸して連れて行きベッドに寝かせようとしたその時

ドスッ

ベッドに寝かされたのは私の方でした。

柔道の田村良子選手もビックリの早業で。

こいつ・・・酔ってねぇぞ・・・!

天然じゃなくてこいつ計算女やで!!!!
しかも結構強引な方の!!肉食系女子?否。こいつは猛獣系だ。

水商売する目的って大体が金だと思うんだけど
彼女の目的は金でも金持ちの男と知り合う為でもなく
働いてるキャスト・・・女の子達でした。

半分脱がされた私は命からがら逃げだしタクシーに飛び乗りました(笑)

彼女は数日後に違う店へ移って行きました。恐らく自分と付き合ってくれる女の子を探すために・・・!

こんなこともあるんだね。

水商売って何が起こるかわからなくて楽しいけど
さすがにこれは予想外過ぎてビックリしたって話でした(笑)

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ちゃんチム

元キャバ嬢&風嬢。高校卒業後、すぐさま憧れていた夜の世界へ。話題のレパートリーを広げるため一通りの風俗も経験し六本木の高級CLUBへ・・・。