現役デリヘル嬢のリアル体験~地獄でほっとけ~

現役デリヘル嬢のリアル体験 地獄でほっとけ!

【第8話】いろいろなお客さん

2014.9.30

「えーまた?あのお客?もーNGにしてって言ったじゃん!!」

わたしは店長に頬を膨らませ憤怒しながら首を締めたくなった。
って位に嫌なお客だったからだ。

このお客(松田)仮名はわたしを写真指名し、たまたま気に入られてしまい、いつの間にか常連さんの部類に入っていた。

一ヶ月に一度が一ヶ月二度。

その頻度になってくるとゲップが出そうなくらいその男のチン○を否応なく憶えてしまい吐きそうになっていた。

仕事だけどわたしにも好きなチン○がある。

この(松田)仮名は如何せんわたしの最も嫌いなチン○の上に執拗なクン○魔だった。
歳は50歳位?だったと思う。
全くもって興味がなかったので歳聞いてなかったわ。笑 

「綾のこと本当に好きになっちゃったよ」

「今度外食でも行かない?」

「欲しいもんある?」

は?ない。ない。もう指名しないでくれる?と、今にも声に出てしまいそうだったけど、それを呑みほしわたしは天井を見上げ執拗なクン○に堪えた。

頬に伝う涙はお金と引き換えに帰る時はすっかり忘れていたから不思議。


ある日

「あっ」

と何かを忘れたかのようにわたしの顔を見るなり言い、

「ん?何?」

とわたしの方を見た刹那、

「あ、な、何でもない」

と、言葉を付け加えた。

気になるじゃんー!!と思いつつプレイを開始するも何をしても(松田)仮名は勃起しなかった。
いつもは小さいながらもそれは勃起し一応射精に導くことが出来た。が、ビクリともしない。

「疲れているの?」

松田(仮名)は天井を仰ぎながらボソッと呟いた。

「実は薬飲んでくるのを忘れて来て……」ばつ悪そうに言う。

「は?何の薬?」ぼんやりとは分かっていた。

よくあるじゃない?
勃起を手助けする薬って。
意地悪く聞いてやった。

「中国から通販で買っている勃起の薬だよ。綾には言いたくなかったけれど……」

はい?別に勃起薬を飲んでまでそんなに射精にこだわるのはなぜ?そんなにしてまでわたしに会いたいの?

胸がざわざわした。
だらりとしたそれはびくりとも膨張の兆しが見えない。

「でも、舐められると気持ちがいいから舐めてくれる?」

往生際が悪い。このー!!

「ローションで出してもいいかな?」

どうしても舐めたくなくてローションを勧めた。

「俺ローション苦手、お口でして。後3時間もあるし、ゆっくり、しよ」

ゆったりとした口調でわたしを見据える(松田)仮名。
これは最早拷問に過ぎない。
だらりとしたそれを手に取り口の中に入れた。
見事にまで膨張しない。
噛み砕いてやろうかとも思った。
これはもう惰性でしかない。

わたしは曲がりなりにもお金で買われた風俗嬢なのだ。

手に取るチン○はわたしの涎でベトベトになり自分の手と口の周りを酷く汚した。(松田)仮名の顔をチラリと伺うと目頭に皺を寄せ恍惚そうな顔をしていた。

勃起こそはしないがわたしがそれを咥えていることに対しての征服感と優越感にでも浸っていたのだろう。きっと。

手も口も痺れて疲弊していた。唾をローションがわりにし必死で扱く。
わたしは無言でその行為に没頭した。

(なんでもいいから早く出て!!)

そんな懇願も虚しく結局小2時間ねばってみたがやっぱり無理だった。

「ごめんね。でも、ありがとうね。また指名するからね」

いや。もう一生会いたくありません。
出来ることなら死んで欲しいです。はい。


で、その一週間後。

「綾ちゃん、また例のお客なんだけど……」

は?NGにして言ったでしょ?もうアホ過ぎて苦笑しながらまた(松田)仮名の元にひょうひょうとした顔で行きました。

「久しぶりー、今日は薬飲んで来たの!?」

嫌味って分かった?(松田)仮名!!


次回も『いろいろなお客さん 2』です♪

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藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。




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