官能小説~女子的夜話~

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【第13話】整体院 (前編)

2014.4.17

閉店時間30分前。恐る恐る整体院の扉を開けると、カランカランと来客を知らせるベルが鳴った。身体の大きな若い整体師が奥のカーテンから顔を覗かせ「こんばんは~」と親しげに声をかけた。

「…あの、今からでも大丈夫ですか?」

「あーいいですよ。ちょうど予約のキャンセル入ったとこなんで。どうぞどうぞ」

パンプスからスリッパに書き換える。カーテンの奥には施術台が2つずつ並んでいたが、お客は誰もいなかった。

「すみません…ここ予約制だったんですね」

「あーはい、でも今暇だったんでいいんですよ。…どこが辛いですか?」

「腰がすごく痛くて…。あと足も」

1番奥の施術台にうつ伏せになると、整体師は身体にタオルをかけた。タオルの上から足をさすられるだけで呻きたいくらい痛い。整体師が親指をふくらはぎにあてたので、思わず「いった…!」と声をあげた

「あっ、すみません。だいぶ凝り固まってますね。これ今親指に全然力入ってない状態なんですよ」

「そうなんですか…今日ずっと立ちっぱなしだったから」

「お仕事ですか?」

「はい、普段はデスクワークなんですけど…」

「立ち仕事はねー、普段からやってないとキツイですよね」

話し方が柔らかくどこか気の抜けた感じでなんだかホッとした。
腰を指圧されると、今度は気持ち良くて声が漏れる。男の人にマッサージしてもらうなんて、何年ぶりだろう。

「会社の立食パーティの案内をやったんですけど、ヒールの高い靴をはいてきちゃったから足腰が痛くて」

「あー女の人はね、ヒールのある靴はくと余計にね」

「それに、せっかく気合を入れたのにおじさんの相手ばっかりで…」

整体師は「ハハハ、それじゃ疲れちゃいましたね」と笑って、肩や背中もほぐしてくれた。タオルごしとはいえ、異性の大きな手で身体中を揉まれていると妙にドキドキする。肩甲骨の辺りを指圧してもらうと、下乳のすぐ近くの際どい位置まで指が届くのでこのまま乳房に触れてしまうのでは…と妄想にかられた。

(やだ…欲求不満の女みたいで恥ずかしいな…。でも最近全然してないし)

整体師が急に親指を尻肉に食い込ませたので、思わず腰をビクリと浮かせてしまった。

(あっ…ダメ、これ以上したら下着が濡れてるのバレちゃう…!)

「はぁ…んっ!」

「あ、ここ、そんなに気持ちいいですか?」

「はぁっ、あっ…はい…」

「ハハ、なんかそんな声出されちゃうと僕も変な気持ちになってきますよ」

軽口をきっかけに、思わず「じゃあ、もっと…」と口走ってしまった。

「もっと、なんですか?」

さっきまでの優しく親しげな口調と違い、低く静かな声で整体師が言った。

「そこ、もっと触って欲しいです…」

うつ伏せのまま、振り絞るような声で言うと、整体師は急に無言になった。身体の上のタオルを外すと、スカートの中に手を伸ばしグショグショに濡れたパンティの上から尻を揉み始めた。

「ああんっ!」

両手の親指をクロッチの脇から滑り込ませ、トロトロにとろけた痴肉を直接刺激する。

「やっ…あ、んっ!」

「ここですか?」

整体師の声は、まるでこの状況を楽しんでいるかのようだった。突然、右手の親指を蜜口にずぶりと挿し込まれた。

「ああっ…!そう、そこ、気持ちいいです…っ!」

尻を突き上げて恥ずかしい格好で腰を振ると、整体師が親指をずぶ濡れの肉溝をかき回しながら、フフと小さく微笑むのがわかった。

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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