官能小説~女子的夜話~

官能小説~女子的夜話~

【第45話】「お見舞い」前編

2015.9.3

「風邪ひいちゃった。しんどい。帰りにポカリ買ってきてもらえる?」

咳き込みながら、幼馴染みの麻衣ちゃんにSOSメールを送った。

体が火照っているのに、寒気で震えが止まらない。熱があるようだが体温計を探す元気もなく、ベッドに倒れ込んだ。

昨晩から体調が優れず、授業を一限で早退してしまった。運悪く母親は昨日から友達と温泉旅行だ。父親は妻の不在をいいことに遅くまで帰らないはずだ。とにかく少しでも横になろうと、重いまぶたを閉じる。誰もいない家はいつもより広く、心細くてたまらなかった。

遠くで聞き覚えのある音がする。それが玄関のチャイムだと気づくまで、しばらく時間がかかった。ベッドの上で気絶するように寝ていたらしい。関節の痛みと全身のだるさを我慢しながらヨロヨロとドアを開けると、麻衣ちゃんが心配そうに立っていた。

「こうくん、顔真っ赤だよ! 薬飲んだ? おうちの人は?」

「旅行で…明日…」

さっきより熱が上がっているらしく、朦朧として自分が何を話しているのかわからなかった。

「とりあえずポカリ飲んで寝てて! 今うちから薬とか持ってくるから」

ポカリとゼリー飲料の入った袋を俺に押し付けると、麻衣ちゃんはすぐ向かいの自宅に走っていった。ふらふらしながら自分の部屋に戻り、布団にもぐりこんだところで再び記憶がなくなった。

夢の中で、麻衣ちゃんが知らない男たちに身体中を舐められていた。両手を天井から鎖で繋がれ、足を大きく開いた状態で固定されている。形のいい乳房に、二人の男が吸い付く。もう一人の男は、麻衣ちゃんの股間に顔を埋めてジュルジュルと音をたてた。

麻衣ちゃんは「やめて」と身体をねじって抵抗するものの、だんだんとうわ言のように繰り返すだけになり、甘い声が混ざり始めた。鎖の金属音と愛液をすする音のアンバランスさが、より卑猥な気持ちにさせた。

「やだぁ…っ、やめ…んっふぅ…っ」

麻衣ちゃんには、俺の姿は見えていないようだ。彼女はだらしなく口を開け、舌を伸ばし、迫り来る快楽の波を受け入れ始めていた。オナニーの見せ合っこをしてる時の彼女とは、別人のようだ。

俺は足を動かすことができず、硬くなった自分のペニスをしごくしかなかった。

「ふあっ…ああっ、そこ…気持ちよくなっちゃうぅ…!」

男たちは舌を小刻みに動かし続け、機械的な刺激を与え続けた。

「あっ、あっ、もっと…そこもっとして…っ」

温かな舌で三ヶ所の粘膜を愛撫され、麻衣ちゃんは内腿をビクビクさせて喜んだ。

「あーっいい…っくるっ! いく、いくっいっ………っ!!」

字開脚のまま足先をピンと伸ばし、何度か痙攣しながら上半身を反らす。全身から汗が吹き出し、筋肉がギュッと緊張しているのがわかる。彼女の体を眺めながら、俺は必死で右手を動かし続けた。

「麻衣ちゃ…っ」

射精の瞬間、かたく目を閉じて彼女の名を呼んだ。

なまあたたかな違和感で目が覚めた。

夢精してしまったかと飛び起きると、麻衣ちゃんが「わっ」と小さな悲鳴をあげて離れた。

熱がだいぶ下がったらしく、さっきよりも体が軽い。ズボンとパンツが中途半端にずり下がっていることに気づき、慌てて履き直そうとすると、ベッドの横で麻衣ちゃんが気まずそうに「ごめん…」と謝った。

「私の名前呼びながら、その、こうくんのここが大きくなってたから…どうにかしなきゃと思って」

目が覚める直前の温かな感触は、麻衣ちゃんの手だったのだ。

夢の中の彼女を思いだし、わずかな隙間から突き出たペニスが、さらに窮屈そうに膨らんだ。俺は、息を飲んだ。

「…続き、お願いしてもいいかな」

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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