官能小説~女子的夜話~

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【第54話】「鍋」前編

2016.1.21

塩崎先輩は、ちょっと危なっかしいというか、ぶりっこというか、

メンヘラというか、とにかく異様にモテる。

可愛いくて、スタイルがよくて、優しくて、誰とでも寝る。

うちのサークルは、以前は女子がメインの文芸サークルだったらしい。

しかし、塩崎先輩が入って以来、メンバーが男だけになってしまった。

彼氏や好きな人を塩崎先輩に寝盗られた女子たちが、ごっそり辞めていったのだ。

いわゆるサークルクラッシャーというやつだ。

現在のサークルの主な活動は、塩崎先輩をチヤホヤすることのみ。

やらせてもらえるかもという期待を胸に、足繁く飲み会に参加しているうちに、

俺もいつのまにか「姫とその下僕たち」の一員になっていた。

あんなに可愛い女の子が、毎晩サークル内の誰かしらと

やりまくっているのだと考えるだけで、一日何回でもオナニーできた。

塩崎先輩のことは全く好きではなかったが、

とにかくやりたくてやりたくて仕方なかった。

その日は、突然やってきた。

塩崎先輩が「うちで鍋パーティーしよう」と言い出した時、

その場にいた全員が色めき立った。

先輩の家は「ヤリ部屋」と呼ばれていて、行けば絶対にヤれると評判だった。

周りがひとしきり盛り上がったのを見届けてから、

「でも、狭いから3人しか呼べないな」

と、スネ夫みたいことを言い出した。

男たちが自分のことで一喜一憂している時が、一番嬉しそうだ。

くじ引きの結果、俺と竹内君と太田先輩の3人が

パーティーの参加権を獲得した。

太田先輩は明るくチャラチャラしたイケメンで、塩崎先輩のお気に入りだ。

竹内君は寡黙な体育会系といった感じだが、あまり話したことがないので、

どんな人だかよく知らない。そこに、サークル内で一番地味な俺。

塩崎先輩としては、太田先輩以外いなくてもいいんだろうなと思ったが、

せっかくの幸運なのでお邪魔させてもらった。

最寄りのスーパーで材料と酒を買い込み、先輩の部屋に運ぶ。

カラフルな小物やポスターがたくさんあって、ドラマの中みたいにお洒落な部屋だ。

俺と竹内君が黙々と鍋の準備を進める間、

太田先輩と塩崎先輩はテレビを観ながら楽しそうにお酒を飲んでいた。

食べ始めてからも、話が弾んでいるのは二人だけだった。

俺と竹内君は明らかに邪魔だったが、途中で帰るわけにも行かないし、

もしかしたらラッキースケベがあるかもしれないし、辛抱強く居座り続けた。

塩崎先輩が「よっぱらったー」と言って、フラフラとベッドに横になった時、

ミニスカートから薄いピンクのパンツが見えた。その小さな三角形に目が釘付けになっていると、

「ふふ、菅原君、パンツ見すぎだよ」

と言って、塩崎先輩が笑った。

見せるためのものだったらしいが、それでも嬉しい。

そこへ、太田先輩が「いただきまーす」と叫んでベッドにダイブし、

塩崎先輩に抱きついた。先輩は、「キャーッ」と嬉しそうな声を上げた。

「何がキャーだ、襲われるの待ってたんだろこのドスケベ!

太田先輩が、胸をわしづかみにしたり、スカートをめくったりしても、

塩崎先輩は楽しそうに笑っている。パンチラどころか、

先輩の小さなパンツがモロ出しになっていた。

調子づいて、太田先輩はセーターもめくり上げた。

「やあだ、太田君、やめてよ!」

「やだとか言って、本当はみんなに見られて興奮してんじゃねえの?」

と、ブラジャーのカップをずり下げると、

中から小ぶりだが形のいい乳房がポロリと溢れ落ちた。

「うわ、お前乳首ビンビンに勃ってんじゃん! 恥ずかしー。

ほら、お前のでかい乳首、菅原と竹内に見られてるぞ」

「いやぁ…ん、やだ、菅原くん、見ちゃやだあ」

塩崎先輩が、今まで聞いたことのないような甘い声を上げ、すがるような目で俺を見上げた。

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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