官能小説~女子的夜話~

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【第62話】「スロウ」後編

2016.6.2

「擦ってぇ…っ、そこ、もっとクチュクチュしてぇ…っ」

硬い亀頭を大陰唇に沿って上下に動かすと、エマさんは歓喜の声をあげた。

まだ触っていないうちから大きく勃起したクリトリスを、皮の上から優しく撫でる。

「あっ、あっ、気持ちいいっ…入り口気持ちいいのっ…。や、あ…っ、ダメ、いく…っいっちゃう…っ」

「いいですよ、何回でもいって」

「ふ、ああ…っ!」

全身の筋肉がビクビクっと痙攣したのを見届ける。

恍惚の表情を浮かべるエマさんの顔を見ながら、ズブズブとゆっくり挿入した。

「ふ、あっ…待って、今っ、いったばっかりだからっ…ああっ」

「…うっ…お、中ドロッドロですよ」

「あ、あ…っ、入ってる…あついの来てるっ」

「う、あー…めちゃくちゃ気持ちいいです」

子宮が降りていて、亀頭の先に入り口がコリコリと当たっている。

奥に届いただけで、エマさんが達しているのがわかった。

「あーっ、奥、そこっ…すごく、すごく気持ちいいのおっ」

覆いかぶさるような形の正常位で、肌の触れ合う場所を多くした。

エマさんは、僕にしがみつくような形で、腰をくねらせ、もっともっとと誘導する。

そのたびに、温かな膣壁がギュッと絡みついた。

「斉藤く…ん、来て…もっと来てぇっ」

「はぁっ…ああっ、ちょっエマさん、待って、締めすぎです」

膣の形や質感や子宮口の感触を確認するように、ズルズルズルとわざとゆっくり出し入れする。

そのたびに、エマさんはシーツを固く掴んで身悶えた。

意地悪がしたいわけではなかった。

情けない話だが、僕は、エマさんにペニス以外の何かを刻みつけたかったのだ。

しかし、そろそろ限界が近かった。

「エマさん、俺…っ」

その後に続く言葉をかき消すように、一気に奥に突き上げた。

「っ…ああっ!」

頭にビリビリと刺激が走り、目の前が白むような快感だった。

バチュン、バチュンと激しく音を立て、濡れた肉がぶつかる。

「ふ…あっ、そ、こっ、そこいいっ…突いてっもっと突いてぇっ」

「うっ、あー…また締まってる」

「ん、ああっいいっいいのっ、すごいっすごいくるっ」

「ぐ…あっ、やべ出そう」

「あーっ…いい、い…いっ」

「出、る…っ!」

射精した後も、繋がったままボンヤリと抱き合っていた。

繋いだ手や重なった胸や体内から熱っぽさが伝わってくる。

僕はさらに疲労困憊したが、不思議とずっとこうしていたかった。

エマさんはますます肌がツヤツヤしている。

もしかして、僕の養分を吸い取っているんじゃないだろうか。

「ふふ、でもいいねこういうの。今度5日くらいかけてポリネシアンセックスしようよ」

「い、5日…」

この欲しがりを5日間も抑えることができるだろうか。考えるだけで気が遠くなりそうだ。

「そういえば、途中なんか言おうとしてた?」

「そうでしたっけ?」

本当の気持ちは、彼女が僕の体を食い尽くすまで隠しておこう。

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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