官能小説~女子的夜話~

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【第65話】「押入れ」後編

2016.7.21

布の擦れる音と、ベルトを外す音が続き、

「うわ、すっごい硬くなってる…」

と、彼女が驚きの声をあげた。

「だって、深雪ちゃんが声我慢してんのすげーエロいんだもん」

「ともくんのここ、蒸れていい匂いするね」

「えっ、ちょ、やめてやめて、嗅がないで」

「ふふ、さっきのお返し。私、この匂い嗅ぐと興奮しちゃうの」

ジュル、ズルル、と何かを啜る音がする。彼女が兄のペニスを口に含んでいるらしい。

「あー…やばい、深雪ちゃんすげー気持ちいい」

「んっ、んんっ…はあっ、とも君のチンポ、美味しい…っ」

唾液の音の他に、彼女の「んっ、んっ」という短い喘ぎ声もかすかに聞こえる。

私は、エロ本に載っていたフェラチオしながらオナニーする淫乱妻を思い出し、

パンツを割れ目に食い込ませ腰を振った。

(あ…ん、私も男の人の舐めてみたい…舐めながらおまんこグチョグチョにかき

回してみたい…)

2人の声と音に聞き入りながら、左手で乳首をまさぐる。

指の腹がビンビンに硬くなった乳頭に触れるたび、声が漏れそうになるのを必死でこらえた。

緊張を上回る興奮が、私を大胆にしていた。

(あっ…気持ちいいっ、クリトリス擦れて気持ちいい…っ)

「あー、ダメだ、すぐイキそう…ごめん1回出すね」

「ふ、んんっ」

(あっ、あっ…おちんちんから精子が出ちゃう…!)

「あーイく、イキそう…っ」

(私もイくっ、イッちゃう…っ!)

兄の射精の瞬間に合わせて、食い込んだパンツでクリトリスを激しく刺激した。

(あっ、あっ、もうイくっもうイくっ、おちんちんと一緒にイくっ…!)

「あー、出るっ!」

(ああっっ…!)

鋭い喘ぎ声の後に、一瞬だけ静寂が訪れた。

私は、必死で自分の口を抑えたが、絶頂直後の激しい息遣いが、指の間からフーッフーッと

漏れてしまった。

しかし、兄は彼女にお礼を言ったり謝ったりしながら、

ティッシュを慌てて何枚も取り出していて、押入れの物音には気づいていないようだった。

彼女は、

「あっ今ちょっと飲んじゃった」

と言って笑っていた。

2人が談笑を始めたので、私は、再び息を殺して身を硬くした。

オナニー直後で少し冷静になった私は、自分の無謀さに戦慄していた。

兄と彼女の会話の合間に、小さな喘ぎ声や体液の音が聞こえる。

どうやらイチャイチャしているようだ。

透明人間だったら、もっと近くで堂々と見ていられるのに、と歯がゆかった。

「はあ…んっ」

「ねえ、深雪ちゃん、やっぱ入れちゃダメ?」

「ええっ、今出したじゃん! それに、隣…」

「えー、だってなんか俺まだ興奮してんだもん。静かにやるから! 

どうせ妹寝てるし大丈夫。ほんとはチンポ入れて欲しいんでしょ?」

「あんっ…コラ、ちょっとっ」

「ほら、ヨダレ垂れちゃってんじゃん」

「あん、もうっ、我慢してるのにぃ…」

「静かにするから、ね?」

ゴソゴソと何かの袋を開ける音がしたが、それが何なのかわからない。

一瞬の間を置いて、「ゆっくり入れるからね」

と、兄の囁く声がした。

「ふ…あっ…ともくんのチンポっ、入ってきてる」

「うわ、中すごい動いてる、めっちゃ気持ちいいよ」

「あ…っすごいっ、チンポ…チンポ気持ちいいっ」

彼女が「チンポ」という音を発するたびに、奥からトロリと熱い液が溢れ出るのがわかった。

パンツの脇から指を入れ、自分の大陰唇を直接なぞる。

身体の一部とは思えないくらいズブズブに濡れて熱をもっていた。

(チンポ…私もこの中にチンポ入れたい)

再び動き始めた指を、止めることができなかった。

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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