官能小説~女子的夜話~

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【第70話】「宅呑み(1)」

2016.10.6

大学のゼミのみんなで宅呑みをした。

法学部のゼミのせいか、みんなそれほど弾けてはいない。中には付き合ってると思われる組み合わせもいるけど、わたしはソッチ方面には全然興味がない。

ていうか、卒業まで顔を合わせなくちゃいけないコミュニティで付き合うとか、別れたときどーすんの?って思っちゃう。

この日はゼミの発表会の打ち上げで、一次会は教授もいたけど、普通にお開き。

気のあった仲間内だけで二次会への流れとなったけど、みんな手持ちが寂しかったので、ゼミ仲間の愛ちゃんの部屋で飲むことになった。

コンビニで買ってきたお酒とおつまみを広げる。

愛ちゃんは甘めのサワーを飲んでいたが、松本君と林君はウィスキーのソーダ割りを作り始めた。

松本君と林君は愛ちゃんに気があるのがミエミエ(笑)。

「ハイボールがお好きでしょ?」なんてCMみたいな事言って、愛ちゃんにどんどん飲ませてる。

おいおい…酔わせてどうするつもりなの?

ここ愛ちゃん家なんだし、変なエロ動画みたいに酔ってみんなで乱交なんて展開あり得ないだろ…って。

ん?わたし…何でエロいこと考えてるんだろう?最近、バイト先の彼氏と別れたから、ちょっと悶々としてるのかな…もうすぐ生理だし…。

わたしの中に芽生えた妄想を振り払いたくて、ビールをぐいっと飲んだ。

ビールを飲み、だべり、ビールを飲み、バカ笑いして…そして…いつの間にか寝落ちしてしまったようだ。尿意を催し目がさめたとき、カーテンの隙間から輝く光の筋がのびていた。

トイレはどこだろう?

身体を起こすと頭に鈍い痛みが走った。飲み過ぎたみたい。

常夜灯にぼんやりと照らされた室内にはあちこちに寝落ちした人が見える。

愛ちゃんは…やはり寝ていた。その着衣には乱れがない。わたしが期待したような乱交パーティーは行われなかったみたい。残念…。

鈍痛に耐え立ち上がると、ぐらりと視界が歪む。

だいぶ飲んでしまったみたい。はやくトイレにいってスッキリしたい。

トイレに向かおうと足を踏み出すと、ゴリッ…と誰かの足を踏んでしまった。

河村君だった。

河村君はいかにも法学部といった感じの頭が良さそうな男子だ。身長は186㎝ととても高く、ぱっと見はモデルのようだ。

その河村君の足を踏んでしまったのだ。しっかり踏んづけてしまったけど…起きない。寝てる。わたしは安堵しトイレへ向かった。

ところが、トイレのドアの前で松本君が寝ていた。

なんでよ~部屋は広いんだから、なにもこんなところで寝ることないじゃない~。

どうしよう…オシッコを我慢できない。松本君を起こして、ドアの前からどいてもらってトイレしようかしら?

でも、静まりかえった部屋に、わたしのシャーッと噴き出す尿の音が響いたりしたら…イヤだ。それってどんな恥辱プレイなの?

もしかして隙間からトイレに入れるかも?扉をそっと開けてみたけど…ダメだ…松本君の頭が邪魔でドアはほとんど開かない。

わたしは辺りを見渡した。

常夜灯の薄暗いオレンジ色の灯りの下に動いている人は誰もいなかった。

全員寝ている。それならば…。

わたしはお風呂へ向かった。

友達のお風呂で用を足すなんて考えられないことだけど、生理現象を止めることはできない。

悪いのはわたしじゃない!あんなところで寝ている松本君がいけないんだ!

お風呂の扉を開けると、ムンとした湿気と独特な水回りの臭いを感じた。

スカートをたくしあげ、おしりに手を滑りこませ、ストッキングごとショーツを引き下ろし、腰をかがめた。

洋式トイレに慣れているから、M字に足を広げるはしたないかっこうなんて久しぶりだ。

「愛ちゃん、ごめんねぇ~」

人様の浴室でオシッコをする背徳感から、おもわずつぶやいてしまった。

ピュル!下腹部に力を入れると熱いものが噴き出した。

その時「どうしたの?具合悪いの?」と河村の声が背に投げかけれた。

「え?いや!」

「大丈夫?水もってこようか?」

「いやぁああ!お願い!見ないで!」

アソコに力を入れたが、熱いものを止めることはできない。

それどころか、しぶきは勢いを増し下品な音を浴室に響かせている。

シャーッ!噴き出す音と、ビチビチと床で飛沫が飛び散る音。

恥じらいに丸出しのお尻をよじり、すこしでも隠そうとしたが、なんの意味もない。河村からは丸見えに違いない。そう思うだけで絶望に消え入りたい思いしかない。

イヤイヤをするように頭を振ったその時、「あっ!」バランスを崩し、M字に足を広げたまま浴室に倒れてしまった。

浴室の入り口に立つ河村に、アソコが丸見えになってしまった。しかも、尿を垂れ流し続けて。

ようやく尿が収まったときには、お尻も脚も尿にまみれてていた。

思考は真っ白になり身体を動かす気力もない。

その時、河村がそっと声をかけた。

「すごくキレイだよ…俺…オシッコにもえるんだ」

つづく。

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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