「あっ。雨降ってきちゃったね。」
店を出た途端に雨粒が落ちてきた。
「んもー!折角ヘアメしたのにー!」
と言いかけた時、ようちゃんがサッと折り畳み傘を私の頭上に差し出した。
「ちょっと自分で持ってて?車取ってくるわ。」
そう言うとようちゃんは濡れながら車に向かって走っていく。
すぐに私の前に車が横付けされてドアが開いた。
「ありがとー!ひゃー!濡れるー!」
「さ。行きますか(笑)」
車に乗り込んだ私にようちゃんはそう言ってほほ笑んだ・・・
そうなんでーす。私、今同伴中なの! 今から私の働くお店へ向かうんだ★
店へ向かう車の中で 「今日は何飲もうかな♪酔っぱらいたい気分だなぁ~」 と遠回しにシャンパンをたくさん入れてくれるように、とりあえずお願いしとく!稼がせてもらわにゃ!だってお金に繋がらなきゃお客となんてご飯行かなーい。
「今日はそんなに持ってきてないから。」とか
「今日はすぐ帰るつもりで来たから。」とか
キャバ嬢の掌で転がされてなるものかと ようちゃんは多少抗うんだけど、やっぱり※オーラスなんだよね!よっ!さすが※エース!
※オープンラストの略 開店から閉店まで居ること
※金払いのいいお客さん(太客)の中のトップ
キャバクラに行く人もホストに行く人も同じなんだと思うけど
店に入る前は数時間で帰ろうと思うんだけど 店に入っちゃったらなーんか帰れなくなっちゃうんだよね~? なんでだろう・・・ 店の雰囲気に酔ってしまうってのはデカい気がする! もちろん指名してる人と離れがたいってのもあるけど。
思い返すと私もそれでどれだけ諭吉さんが飛んでっただろう(遠い目)
今思うと何であんな男にっ!くっそ!
あ。歌い終わった。
全然関係ない事考えながらようちゃんのカラオケ聞いてわー超退屈だし!
BOOWYの【ONLY YOU】何回目よ・・・ T-BOLANの【離したくはない】も何回目よ・・・ 確かに時間を潰すために 「歌聞きたいな♪」 って確かに言ったけどさ(猫なで声で)
なんでこの年代はキャバで歌うレパートリーが大体同じなんだよっ(笑)
もっとレパートリー増やしてEXILEでも歌ってみろってーの。
あー。金持ってて気前良くて歳若めなイケメン来ないかなー。なんて頭の中で考えながら顔はニコニコしながら手拍子してるこの女・・・
どうも!今は場末の三十路女こと【ちゃんちむ】です♪
十代から夜の世界に飛び込み早十数年。コラムを書かせていただく機会を頂戴したので(ありがたや~)私の夜の世界での実体験を書いていこうと思っています。
現実は小説より奇なりって言葉があるけど夜の世界に生きてると本当にそうだよな~と思う。もう多少の事じゃビックリしないよ(笑)
今まで色々な事があったけど、あんな事やこんな事をちょっとコミカルにして書いて行きたいと思います★ (ほらコミカルにしないと書きづらいのもあるじゃない?(笑)) 皆様どうぞよろしくお願いいたします♪ 楽しみにしてもらえるように頑張ります。
ちゃんチム
元キャバ嬢&風嬢。高校卒業後、すぐさま憧れていた夜の世界へ。話題のレパートリーを広げるため一通りの風俗も経験し六本木の高級CLUBへ・・・。
【第26話】憧れ
【第25話】専門誌に載ったら
【第24話】まっさら童貞クン
【第23話】こじらせ童貞クン
【第22話】メールだって大変なのよ
【第21話】男にがっかりするとき
【第20話】完熟男子キラー(後編)
【第19話】完熟男子キラー(前編)
【第18話】客管理する前に(後半)
【第17話】客管理する前に(前編)
【第16話】年齢の問題
【第15話】収集癖の話
【第14話】チャットのお話
【第13話】イベントは気合!?
【第12話】プライベート
【第11話】初体験
【第10話】女の世界
【第9話】ストーカーの調教
【第8話】逆需要
【第7話】回転花びら
【第6話】神降臨
【第5話】5つの名前を持つ男
【第4話】百合女
【第3話】必死な男
【第2話】よくあるパターンのやつ
【第1話】記念すべき第一回♪