岩渕さんはベッドの上に、俺は椅子に座って向き合った。2人ともモジモジしてなかなか始められなかったので、俺が口火を切ることにした。
「いっとくけど、俺のは小さいし長さもないから、あんま期待すんなよ」
ベルトに手をかけ、ジーンズとボクサーパンツを一気に下ろすと、岩渕さんが「ひゃっ」と間抜けな声をあげた。
「え、え、それが、アレ?」
興味深げにじろじろ見られると、畏縮してしまいそうだ。
「そんなに上向いてるものなの…? それ、普段どうやっておしっこしてるの? しまう時痛くない?」
「今は興奮して固くなってるからこうなの。普段は下向いてるし柔らかいから大丈夫」
「こうくん、今興奮してくれてるんだ、よかった」
岩渕さんは照れくさそうに笑った。彼女が笑うたびに、いちいちドキッとしてしまう。
「じゃあ、私もするから、こうくんもしてみせてね」
スカートの中に手を入れ、水色の綿のパンツをゆっくりと下ろすと、両脚をおそるおそる広げた。黒い陰毛の中に鮮やかなピンク色の亀裂が見える。初めて見る幼なじみの性器は、陰毛も肉襞も濡れそぼっていた。
「お尻までびしょびしょになってるの、ここからでもわかるよ」
「うそ、やだ…」
「俺に見られるの、興奮する?」
うん、と小さく頷いた。恥ずかしそうに身を縮めているが、彼女の目は俺の右手におさまっている陰経に釘付けだった。右手をゆっくり上下に動かす。すると、彼女も細い指でたどたどしく陰核を撫で始めた。
「あ…ん、こうくんに見られてると、なんか…いつもより気持ちいいかも」
「指使って音たててみて」
「う、ん…」
愛液が止めどなく溢れる密口を指のはらで軽く叩くように刺激すると、ピチャッピチャッと卑猥な音が響いた。
「あー、すげえエロい音してる」
「あっ、あっ、いいっ…こうくんも気持ちいい?」
「やばい、めっちゃ気持ちいい…。なんかすげー興奮する」
俺はいきり立った陰経をより激しく手をしごいた。大量の先走り液が皮の摩擦を一層滑らかにし、クチュクチュと音をたてた。
「ああっ…ん、こうくんのおちんちん、真っ赤になってる…」
「麻衣ちゃん、足ひろげて、もっとよく見せて」
「あ…ん、見て、私の恥ずかしいとこ…もっとよく見てぇ」
「おっぱいも自分で触ってごらん」
岩渕さんは大きくM字開脚し、ねだるように腰を浮かせてくねらせた。ぬかるんだ肉襞が充血してぷっくり膨れているのがわかる。左手を服の中に入れ、自らの乳首をつまんだ。
「あーっ、乳首コリコリして気持ちいい…っ、いく、いっちゃう…っ」
「俺も、も、我慢できな…」
「あっ、いくいく…いく、いっ」
「あーっ、麻衣ちゃん、出る、出ちゃう」
「ん…っ!」
ティッシュを数枚取り、慌てて亀頭を包みこんだ。ティッシュの中にビュルルッと勢いよく精子が飛び出す。ベッドに倒れ込んだ岩渕さんは、肩で息をしながらその様子をぼんやりと眺めていた。
「今日はありがとうね」
玄関の前まで送ると、岩渕さんは上機嫌で振り返った。俺は気恥ずかしくて「こちらこそ」と言うだけで精一杯だった。
「最後の方、私のこと麻衣ちゃんって呼んでくれてたね」
「そうだっけ?」
わざとらしくシラを切る俺に、岩渕さんは耳打ちした。
「2人とも大学受かったら、セックスしようね」
くそ、絶対受かってやるらな。
と言いつつ、今日はもう勉強が手につきそうもなかった。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。