麻衣ちゃんの細い指が、俺のペニスを柔らかく包み込む。
「まだ熱あるのかな。すっごく熱い。それに…硬い」
今まで、お互いの性器を見ることはあっても触ったことは一度もなかった。受験の時大学に受かったらセックスしよう」と約束したが、無事大学生になった今も、そのタイミングを掴めずにいた。お互い初めてなんだし、焦ってはいけないと思っていたのだが、彼女はやきもきしていたのかもしれない。
亀頭の先に浮かんだカウパー液の水滴を、指の腹でくるくるとなでる。それを赤くてかった亀頭や張り出したカリにまんべんなくぬりたくり、陰茎の皮を上にずらして滑りをよくした。
軽い力で皮を上下に動かすと、先走りの汁と皮が擦れあってタパタパと間抜けな音がする。自分以外の人間に性器をいじられる喜びと気恥ずかしさで、腰をよじってしまう。
「うぅっ…あっ、あっ」
「わあ、ほんとに先っぽから透明の汁がどんどん出てくるんだね…すごく気持ち良さそう」
先走り液が尿口から滴ると、麻衣ちゃんはそれを舌の先で受けとめ、そのまま唇と舌を裏筋に這わせた。
「はあっ、麻衣ちゃ…っ」
彼女の手や舌や唇に愛撫されているうちに、ますます頭がボーッとしてきた。
「あっ、ああっ…すげえ気持ちいい…っ」
「こうくんは…どこが好きなの?」
どこでそんないやらしい台詞を覚えたんだと思ったが、そんなことに構ってもいられず「先の方…」と夢中で答えた。
「ここかな?」
「あぅっ」
カリを一周するように舐め回し、わざと舌を伸ばして尿口をいやらしく舐め回す。そのまま唇を亀頭にあて、口内にすっぽり入れてしまったので、慌てて上半身を起こした。
「うあっ…やめ、ダメだって!」
「だって、ここが気持ちいいんでしょ?」
麻衣ちゃんが、潤んだ目で嬉しそうに笑う。再び亀頭を口に含むと、ジュッジュッといやらしい音を立てて吸い付き始めた。
「ん…あぁっ、それっ気持ちいい…っ」
口をすぼませ、舌をからませて懸命に首を振る様子は、まるで淫乱女だ。いつも恥ずかしそうにオナニーを見せてくれる彼女や、さっきの夢の中の彼女とは、別人だった。
柔らかな粘膜が張りつめた陰茎を一気に奥まで包みこみ、ジュポッという下品な音を立てて上下にピストンする。
「うわっ…ダメだ、麻衣ちゃん、もう無理っ」
「んんっ…ふぅっ」
「あーーっ出るっ出る出る…っ!」
ドクドクドクッと激しく脈打っているのが、わかる。麻衣ちゃんは、それらを口の中で受け止め、いつものようにはにかんだ。
洗面所から戻ってきた麻衣ちゃんは、「悪いものたくさん出たから、風邪すぐ治るね!」とニコニコしていた。
「ごめん、ここまでしてもらっちゃって…ほんとにありがとう、ごめんね」
なんだか申し訳ない気持ちになって、つい謝ってしまう。
「それで、その」
と、さっきからずっと気になっていたことを、聞いてみた。
「こういうの…どこで覚えたの?」
彼女は、よくぞ聞いてくれたとばかりに、嬉しそうに頬を紅潮させた。
「こうくんがなかなか手出してくれないから、私から誘惑しようと思って痴女もののAVで勉強したの。」
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。