薄暗い待合室のソファーに、コートと鞄を抱えた女が1人腰をかけていた。
「次の方、どうぞ」
女は軽く会釈して診察室に入った。私はその姿を一瞥し、すぐにカルテに視線を戻した。
黒のセーターにベージュのシンプルな膝丈スカート。手足は細いのに胸と尻が大きく、頬を紅潮させて息苦しそうにする様子が、どうにも扇情的だ。
椅子に腰掛けると、恥ずかしそうに腰をモゾモゾと動かした。
「どうされました?」
「なんだか…胸が苦しいような…」
「吐き気がする?」
「いえ、なんかこう、熱くて…モヤモヤする感じで…。あと、動悸もします」
女がVネックのセーターの胸元に手を添える。その服は身体のラインを強調するデザインで、たわわな胸が生々しい曲線を描いていた。
「他に症状は?」
「息苦しくて…。家で横になっていても落ち着かないんです」
「とりあえず胸の音聞いてみるんで、服を上げてもらっていいですか」
女は震える手でセーターの裾を少しずつ捲り上げた。眩しいばかりの白い肌が露出していく。大きな乳房の下半分の膨らみが見えたところで、手が止まった。
女はブラジャーをつけていなかった。少し汗ばんだ肌に銀色の金具が触れるたび、女はピクと身体を震わせた。聴診器を弾ませるように押し当てると、重量感のある下乳がたゆんと揺れる。セーターの中に手を潜りこませ、乳輪の近くに聴診器をあてると、女の唇から「あっ…」と息が漏れる。
聴診器で硬くなった乳頭を撫でると、女は切なげに声を上げた。
「はぁ…っ、んんっ」
「じゃあ血圧を測ってみましょうか」
潤んだ目で物欲しそうな顔をする女を無視して血圧計を巻く。大きな胸を私の手に押し当ててきた。測定中もソワソワと落ち着かない様子だ。
「特に異常ないですね」
「先生、あの…」
「どうしました?」
「お腹の…下のあたりが、苦しくて…」
「じゃあ、その台の上に横になってもらえますか」
おぼつかない足取りで診察台に向かう。息が荒く、だいぶ苦しそうだ。横になった女の服の上から下腹部に手をあてると、身体をよじらせた。
「はぁっ……あの、もう少し、下の方です…」
下腹部から鼠蹊部に手を降ろし、恥骨のあたりに手を置く。
「あっ…そこです…そこが…熱くて…」
「熱い? おかしいですね。ちょっと直に触らせて頂きますね」
スカートの中に腕に入れ、太ももを撫で回し、腰を触れてから恥部に手を伸ばすと、柔らかな陰毛の感触があった。予想はしていたが、女はやはりノーパンだった。
「ここですか?」
「はあっ…いえ……もっと下です…」
「もっと下?」
「ああっ…ん! そこ…そこです…っ」
陰毛を掻き分け、割れ目に指を滑り込ませると、女の恥肉は既にびしょ濡れになっていた。 既にむき出しになっているクリトリスを指で円を描くように撫でると、「やあっ…ん!」と声を上げ、足をピンと張った。
「ここがどうしたんですか?」
「あんっ…、先生…ここが切なくて…」
「切ない? 切ないとはどういう感じですか?」
「もっと触って欲しいの…」
「こうですか?」
人差し指と中指でクリトリスを擦ると、女は私の白衣にしがみついてよがり声を上げた。
「ああっ、あんっ、そこ…っ気持ちいいっ…あっ、あっ!」
すぐイッてしまいそうだったので指を止めた。焦らされた女はねだるように下半身をよじらせ、息を荒くしている。
「ここはどうなっているんですかね?」
クリトリスから指を下ろすと、硬いプラスチックの感触があった。
女のスカートを乱暴に捲り上げ、足を大きく拡げさせると、肉厚な小陰唇がプラスチックの太いバイブを咥えこんでいた
「なんですか、これは」
「はあっ…これは…」
「…まさか家から挿れっぱなしでここまで来たんですか?」
女は潤んだ目で「そうです…」と弱々しく答えた。
「お尻の穴までヒクヒクさせて、あなた恥ずかしくないんですか」
「ああっ…ごめんなさい…」
「こんなドスケベなま●こには治療が必要ですね」
女は羞恥と期待に満ちた目で私を見上げていた。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。