「はあっ…んっ…」
乳首を指先で刺激されて大きな声が出た。カットソーに手を入れてブラのホックを外す。服ごと上に押し上げて露わになった乳首を両手の人差し指ではじくように弄ぶ。
「あっ…あっ…気持ちいい…」
「もうコリコリになってる。ここ弱いんだね」
舌を長く伸ばし、乳頭を舌先でチロチロ刺激されると切なくて声を我慢できない。
「あああっ…んっ…もっと…舐めて…」
口内で乳輪ごと舌で舐め回す。乳首を転がされると、頭の中を電流が走るみたいにビリビリと快感が駆け抜ける。唇や歯で乳頭を刺激しながら、課長の手がもう一度尻に伸びた。指先を愛液でトロトロに濡らし、陰核を擦る。
「は、ああっ、そこ…ッ」
皮を弄られるたびにビクビクッと震える。
「すげえ、敏感なんだな」
クリトリスと淫裂に上下に撫で、愛液をかき回した。
「あっ、あっ…気持ちいい…すぐいっちゃいそう…」
吐息と体液の匂いとピチャピチャという卑猥な音が理性を奪っていく。
「いいよ、我慢しないで」
「あっ…もうイク、イク、ああっイク、あああっ…!!」
短い悲鳴を上げて絶頂に達した。痙攣する膣口から愛液がとめどなく溢れ出ていた。
ダイニングから寝室へ移動し、夢中で服を脱いだ。もう一度、課長の陰茎に舌を這わせる。濡れた肉茎を片手で優しくしごきながら、筋を舌先でなぞる。少しずつ降りて陰毛に顔を埋め、玉を唇に含んだ。蒸れた匂いがいやらしい。口内で玉を転がすと、課長が「ああ…っ」と切なげな声をあげる。手の中の亀頭からカウパー液が絶え間なく溢れ出ている。
手の中の陰茎は痛そうなくらい怒張していた。コンドームをかぶせると、さらに窮屈そうだ。
課長が両手で腰を引きよせ、膨らみ切った肉棒で割れ目をなぞる。
熟れた肉の襞が大きな亀頭を包み込む。淫裂の中に充血したペニスがズブズブ侵入し、そのまま根元まで沈んだ。
「ああっ、んっ…」
「あー、中すげー気持ちいい…」
ゆっくりと腰を動かす。怒張した陰茎が膣壁を押し分けていく。自分から腰をくねらせ、好きな場所へ誘導した。
「ここ?ここが気持ちいいの?」
「あっ、ん…そう、そこ、そこなの…いっぱいちょうだい…」
力強く奥を突き上げ、亀頭ギリギリまで引きぬいてから再び貫く。粘膜がぶつかり体液が混ざり合ってひどく卑猥な音がする。
「あああっ、気持ちいい…」
「俺も、ここすげえいい」
「んんっ、あっ、そのまま…」
課長の呼吸は荒く、一定のリズムに合わせて細かな喘ぎ声が漏れている。腰の動きが一層激しくなる。
「あっ、あ、ちょっと、ごめんもう無理かも」
「はあっ、んっ、課長、キスして…」
「や…ダメだって、出ちゃうよ」
「私、もう…いっちゃいそう」
「くっ…」いつも余裕の課長がこんなにも切羽詰まった顔をするのか、と思う。彼の舌を受け入れ、吸いつき、頭がカアッと火照った。
「ん、ああっ、あっ、あ…もう…イキそう…ッ」
「ああっ、ダメだ…ごめん、出そうっ…」
「あっ、あっ、イク、イっちゃう…」
「あ、俺も…出る、出るっ…!」
「はあっ、あああっ!」
ドクンドクンと何度も大きく波打つ。そのたびに苦しそうな喘ぎ声をあげた。しばらく何も考えられずに痙攣する膣の感覚に集中する。目を開けると、課長が険しい表情で眉間にしわを寄せ、快楽の余韻に浸っていた。この男の顔が好きだ、とぼんやり思った。
互いの体液でべたべたになっていたが、じゃれつくように抱き合って寝た。課長はずっと尻やおっぱいを撫でていた。名残惜しいので、小さくなった陰茎をそっと手で包んだ。
セックスしちゃったね。しちゃいましたね。まさかこんなエロい女だと思わなかった。こっちの台詞ですよ。
「今だから言うけど」と、前置きした。
「俺、君のこと、いい尻してんな~と思って仕事中いつも見てたんだよね」
「えっなんですかそれ」
「同じ駅使ってるって知った時も、えっマジで?ってなってちょっと嬉しかったんだけど、普段エロいことばっか想像してたしさー、なんか意識しちゃってなるべく話しかけないようにしてたんだよね」
課長の目がクシャッとなる。たぶん適当なこと言ってるんだろうな、と呆れた。
この人の言葉がどこまで本当か、わからない。たとえ口からでまかせであったとしても、今だけは信じてみてもいいかなと思った。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。