ラブホテルの部屋にはテレビがおいてある。VODとか言って、比較的新しい映画を観られたりするサービスだ。でも、彼氏は映画ではなくてアダルトビデオを観る。となりに彼女である私がいるというのに、アダルトって…
ちょっとへこむ…
でも、女からしてみれば、こんな機会くらいしかアダルトビデオを見る機会はない。ネットで手軽に見られる時代ではあるけど…。へんなウィルスに感染したくないし…。迷惑メールやパソコンのっとりなんてされても困る。
だから自分のスマホでもアダルトを見る事はない。本当に安全なアダルトサイトがあるなら見るかもしれないけど…。そんな事、彼には聞けない。
だから、結局はホテルで彼が見るアダルトビデオを一緒になって見てしまう。
私は巨乳ものが好きだ。別にレズビアンでもなんでもないよ。でも、どうせ見るなら…自分のおっぱいよりも立派なおっぱいを見たいと思ってしまう。
大きい…そんなおっぱいを見たい。
アソコはモザイクがかかっているから見えないけど、毛が濃い人はもの凄く濃い。パイパンにしている人も多い(AV嬢のたしなみなのかもしれない)。
でもモザイク越しだから、ちゃんと見える事はない。だから、おっぱいの方が見るのは好きだ。
乳輪の大きい人、乳輪の色が薄い人、乳首の小さな人、梅干しみたいな乳首の人…。いろんな女優さんがいるものだ。
その日、たまたま彼が見ていた物は、痴女ものだった。女性があれこれ積極的に言葉を放ちながら、男性を犯していくような感じのビデオ。
ていうか…。笑ってしまいそうなくらい女がうるさい。よく、こんなセリフ思いつくなぁ~てくらい、エッチな願望を言いまくる。
彼は、こういうプレイしたいのかな? なんか妙な疑問を抱いてしまった。
彼のエッチは無言だ。まぁ、あれこれうるさい男ってあまりいないと思うけど(それこそアダルトビデオの中くらいだろう…)、彼は特に無反応だ。
彼の乳首を舐めても、うんともすんとも言わない。「気持ち良くないの?」と聞いても、「触られてる感覚はあるけど、気持ち良くはない」と、つまらない反応だ。
フェラしてあげても、たまに、う~ン、といか言う程度で反応が薄い。声を出すときといえばイクときだけ。イクときは、「あ~!」と声を上げる。
テレビの中の男優は、痴女に責められながら、あれこれコメントしている。彼も、あんな風に話してくれないかな?
「ねえ…ああいうプレイ、してみたい?」思わず聞いてしまった。
「え? 痴女プレイ?」彼は満面の笑みを浮かべながら、
「いいねぇ~なんか楽しくない?」と答えた。
なんだよ! セックスの反応が薄い訳じゃなくて、ああいうのしたかったのかよ! 私の中のスイッチが入った。
「ねえ、先にベッドに入ってぇ~」
「私が思いっきり可愛がってあげる~」
「明かりは暗くしなくていいのよ~私の事よく見てぇ~」
彼はベッドで大の字になった。オチ●チンは半勃ちしてる。皮が剥けきれてはなく、亀頭のさきっぽが、申し訳なさそうに顔を出している。
「あれ~? まだオチ●チン大きくなってないの?」
「皮が余ってるわよ。ダメ、手で剥いちゃ。自然に剥けないの?」
なんだか楽しくなってきた。今までのセックスに不満はなかった。けれども、痴女のふりというか、セックスで主導権を握ると、なんだか女王様になったような気持ちになる。
私にS気があるとは思ってなかった。でも、彼を言葉でイジルと興奮してくる。
彼のオチ●チン。隆々と上を向いて勃起してる。なのに、皮は剥けきれていない。私の中のS気が弾けた。
「勃起しているのに皮かむってますよ~」
「皮剥いて欲しいの?」
「思いっきりぺろぺろしてほしいの?」
「あれ~さっきのビデオの人よりオチ●チン小さいわ」
「これで私の事満足させられるの?」
彼は、
「すみません…包茎です」
「小さなオチ●チンで申し訳ございません」
「これで精一杯です!」
とか、情けない声を発している。結構Mだったのかもしれない。
オチ●チンの先っぽから、透明の液がにじみ出ている。我慢汁、こんなに出てる。
「我慢汁でてるわ~どうしたの? オチ●チンの皮剥いてほしいの?」
「オチ●チンしごいてほしいんでしょ?」
「それとも舐めて欲しい?」
オチ●チンはトクン、トクンと揺れてる。彼は情けない声で、「オチ●チンをしごいてください!」と切望した。
「いいわよ~」
オチ●チンに手を添える。ビクンと跳ねるように動いた。
皮をゆっくりと下に下げる。メリメリと皮をこじ開けて、亀頭が顔をだす。
ムキッ!
勢いよく皮をズリ剥いた。
「ああっ!」
彼の嗚咽が部屋に響いた。
つづく
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。