官能小説~女子的夜話~

官能小説~女子的夜話~

【第82話】カーセックス 1

2017.4.27

彼とのデートの別れ際って、ちょっと寂しい。

何年も付き合ってるけど、バイバイするときって、いつまでたっても慣れない。

いっそ…一緒に暮らせたらいいのに。

そしたら、そんなこと、気にしなくなるのかな?

でも、お互い仕事に行くときとか…離れてしまう場面って、ずっとついて回るよね。

彼の運転するクルマの助手席で、そんなことを考えていた。

もうすぐ、わたしのウチ。

クルマを、その辺のパーキングに入れて、わたしの部屋でゆっくりしても…

結局はバイバイの時間が来てしまう。

クルマがゆっくりと駐まる。

彼がなんかボタンを押す。

カチカチと規則的な音とともに、黄色く点滅するランプが壁に反射した。

「着いたよ」

彼の言葉に…

ふと、最近見たコマーシャルを思い出してしまった。

「降りたくない」

たしか…綾瀬はるかのCMのセリフ。

「もっと乗ってていい?」

冷静に考えると、「もっと乗ってていい?」って、なんだか変なセリフだ。

だだこねてる子どもかよって思う。

そんな馬鹿なことを思っていたら…

「じゃあ、どっか公園でも行く?」

そういって、彼はクルマをスタートさせた。

わたしの部屋の近くには大きな公園がある。

ジョギングやウォーキングをする人、犬の散歩に勤しむ人、芝生で遊ぶ親子連れなどが結構いる公園。

公園の外れには、市営のプールとスポーツジムがあり、休日は公園の駐車場に向けて渋滞がおきるほど人気のスポットだ。

その公園のパーキングへクルマは向かった。

夜の11時をまわった頃だったが、パーキングに入ることはできた。

24時間営業のようだ。

駐まっているクルマがちらほらと見える。

クルマの人たちは、何をしに来てるんだろう?

夜の公園で、散歩でもしてるのかしら?

彼は他のクルマが少ない、パーキングの奥の方へとクルマを進めた。

そして、電灯の明かりが届いていない、暗い一角にクルマを駐めた。

エンジンを切ると、室内灯が点った。

「夜の公園って、結構クルマ、駐まってるんだね」

話しかけた、わたしの唇を彼の唇がふさいだ。

室内灯は弱まり、車内はほんのり暗くなった。

「見られちゃうよ」

顔を離し、小声で呟いた。

別に誰もいないけど、なぜか声を潜めてしまった。

彼は覆い被さるように身体を寄せ、助手席のシートを倒した。

唇をむさぼりながら、服の上からおっぱいを揉みしだいてくる。

彼の身体が、すぐ隣にない変な感じ。

シートとシートの隙間のため、密着感はなく、むしろ変な触り方になってる。

彼の腰は運転席のシートに埋もれている。

そのため、上半身だけ無理矢理曲げて、わたしに触れている。

身体…痛くないのかな?

胸への触れ方のもどかしさが気になってしまう。

彼のオチ●チンに触れようとしたが、手が届かない。

シートって意外と離れているんだ。

ふと、遠くからサックスを吹いているような音が聞こえてくる。

夜の公園で練習しているのだろう。

でも、ご近所さんから苦情はでないのだろうか?

気づいてみると、車外の音が結構聞こえてくる。

話しながら、自分のクルマへ向かう人たちの語らい。

夜のジョギングをしているのかな?

タッタッタッとリズミカルな音。

ザーっと自転車が駆け抜けていく音も聞こえた。

夜のパーキングって人の出入りが結構激しいんだね。

彼が「口でして」と言ってきた。

わたしは身体を起こして、彼のシートに身体を向けた。

口でしてって言っても…ハンドルあるし!

わたしの頭が入る隙間はほとんど無いし!

よくエッチな漫画で、クルマのシートでカーセックスしてるシーンがあるけど、あれって全然無理だよね、そんなことを、ふと感じてしまった。

そしたら、彼がシートをガーッと後ろに下げて、そのままリクライニングした。

彼がパンツを下ろしている間、ふと外を見た。

目が慣れたのかな?思ったよりも明るい。

フロントウインドウって、結構大きいんだな…って感じた。

こんなところで、オチ●チンだして大丈夫なの?

そんなこと思いながら、彼のオチ●チンを口に含んだ。

助手席と彼までの距離が遠い。

手をつく場所がうまく取れなくて、お腹がよじれたような感じで痛い。

シャワーを浴びていないせいか、彼のオチ●チンの臭いがムンと鼻を突いた。

ちょっと…おしっこの臭いもしてる。

ジュル…グポ…グポ…

車内にエッチな音が響いているように感じる。

フェラチオしながら、よだれが垂れたらシートが汚れちゃうな…なんて考えてる。

ジュポ…ジュポ…

頭を上下に動かしているけど、外から見られていないかな?

彼のオチ●チンが見られるよりも、自分が見られたくないと思った。

グポ…グポ…ジュル…

ツバを絡めるように、頭を激しく上下に動かす。

「ちょっと…やべ…イキそうだよ!」

いつもより全然早く、彼がストップをかけた。

外でしているせいかな?

「ねえ、後ろの席で挿れていい?」

彼は本格的にカーセックスを求めだした。

わたしは…言いようのない気持ちになっていた。

つづく

コラムの更新情報を受け取る
受け取る 受け取り停止
メールアドレス:

藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




バックナンバー