彼とのデートの別れ際って、ちょっと寂しい。
何年も付き合ってるけど、バイバイするときって、いつまでたっても慣れない。
いっそ…一緒に暮らせたらいいのに。
そしたら、そんなこと、気にしなくなるのかな?
でも、お互い仕事に行くときとか…離れてしまう場面って、ずっとついて回るよね。
彼の運転するクルマの助手席で、そんなことを考えていた。
もうすぐ、わたしのウチ。
クルマを、その辺のパーキングに入れて、わたしの部屋でゆっくりしても…
結局はバイバイの時間が来てしまう。
クルマがゆっくりと駐まる。
彼がなんかボタンを押す。
カチカチと規則的な音とともに、黄色く点滅するランプが壁に反射した。
「着いたよ」
彼の言葉に…
ふと、最近見たコマーシャルを思い出してしまった。
「降りたくない」
たしか…綾瀬はるかのCMのセリフ。
「もっと乗ってていい?」
冷静に考えると、「もっと乗ってていい?」って、なんだか変なセリフだ。
だだこねてる子どもかよって思う。
そんな馬鹿なことを思っていたら…
「じゃあ、どっか公園でも行く?」
そういって、彼はクルマをスタートさせた。
わたしの部屋の近くには大きな公園がある。
ジョギングやウォーキングをする人、犬の散歩に勤しむ人、芝生で遊ぶ親子連れなどが結構いる公園。
公園の外れには、市営のプールとスポーツジムがあり、休日は公園の駐車場に向けて渋滞がおきるほど人気のスポットだ。
その公園のパーキングへクルマは向かった。
夜の11時をまわった頃だったが、パーキングに入ることはできた。
24時間営業のようだ。
駐まっているクルマがちらほらと見える。
クルマの人たちは、何をしに来てるんだろう?
夜の公園で、散歩でもしてるのかしら?
彼は他のクルマが少ない、パーキングの奥の方へとクルマを進めた。
そして、電灯の明かりが届いていない、暗い一角にクルマを駐めた。
エンジンを切ると、室内灯が点った。
「夜の公園って、結構クルマ、駐まってるんだね」
話しかけた、わたしの唇を彼の唇がふさいだ。
室内灯は弱まり、車内はほんのり暗くなった。
「見られちゃうよ」
顔を離し、小声で呟いた。
別に誰もいないけど、なぜか声を潜めてしまった。
彼は覆い被さるように身体を寄せ、助手席のシートを倒した。
唇をむさぼりながら、服の上からおっぱいを揉みしだいてくる。
彼の身体が、すぐ隣にない変な感じ。
シートとシートの隙間のため、密着感はなく、むしろ変な触り方になってる。
彼の腰は運転席のシートに埋もれている。
そのため、上半身だけ無理矢理曲げて、わたしに触れている。
身体…痛くないのかな?
胸への触れ方のもどかしさが気になってしまう。
彼のオチ●チンに触れようとしたが、手が届かない。
シートって意外と離れているんだ。
ふと、遠くからサックスを吹いているような音が聞こえてくる。
夜の公園で練習しているのだろう。
でも、ご近所さんから苦情はでないのだろうか?
気づいてみると、車外の音が結構聞こえてくる。
話しながら、自分のクルマへ向かう人たちの語らい。
夜のジョギングをしているのかな?
タッタッタッとリズミカルな音。
ザーっと自転車が駆け抜けていく音も聞こえた。
夜のパーキングって人の出入りが結構激しいんだね。
彼が「口でして」と言ってきた。
わたしは身体を起こして、彼のシートに身体を向けた。
口でしてって言っても…ハンドルあるし!
わたしの頭が入る隙間はほとんど無いし!
よくエッチな漫画で、クルマのシートでカーセックスしてるシーンがあるけど、あれって全然無理だよね、そんなことを、ふと感じてしまった。
そしたら、彼がシートをガーッと後ろに下げて、そのままリクライニングした。
彼がパンツを下ろしている間、ふと外を見た。
目が慣れたのかな?思ったよりも明るい。
フロントウインドウって、結構大きいんだな…って感じた。
こんなところで、オチ●チンだして大丈夫なの?
そんなこと思いながら、彼のオチ●チンを口に含んだ。
助手席と彼までの距離が遠い。
手をつく場所がうまく取れなくて、お腹がよじれたような感じで痛い。
シャワーを浴びていないせいか、彼のオチ●チンの臭いがムンと鼻を突いた。
ちょっと…おしっこの臭いもしてる。
ジュル…グポ…グポ…
車内にエッチな音が響いているように感じる。
フェラチオしながら、よだれが垂れたらシートが汚れちゃうな…なんて考えてる。
ジュポ…ジュポ…
頭を上下に動かしているけど、外から見られていないかな?
彼のオチ●チンが見られるよりも、自分が見られたくないと思った。
グポ…グポ…ジュル…
ツバを絡めるように、頭を激しく上下に動かす。
「ちょっと…やべ…イキそうだよ!」
いつもより全然早く、彼がストップをかけた。
外でしているせいかな?
「ねえ、後ろの席で挿れていい?」
彼は本格的にカーセックスを求めだした。
わたしは…言いようのない気持ちになっていた。
つづく
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。