「元彼にされたことのない、バージンなコトってないの?」
彼がばかばかしい話題をふった。
「え~…なんでそんなこと聞くの?」
ホント…ばかばかしいと思った。けど、彼はしつこく聞いてくる。
「露出したとかぁ…外でしたとかぁ…色々あるじゃない? オシッコするところ見せたとかぁ…そうだ、精液飲んだとか。」
「そんなヘンタイなことしてないよ…普通のエッチしかしてないです。」
「ウソつけ~俺とは普通のエッチしかしてないけど、元彼が求めたりしなかったの?」
「う~ん…。」
そういえば、元彼に頼まれてオナニーを見せたことはある。
でも、オナニーなんか見て、何が楽しいんだろうって思った。
お酒を飲んでいたせいだと思う。
ホテルで電気を全開でつけられて…明るいところで脚を広げて、自分であそこを撫でた。
元彼は、ビールを一口飲んで、わたしに聞こえるようにイヤらしいことを言ってたな。
「へぇ~…クリトリスを人差し指で撫でるんだぁ~いつオナニーするの? どんなこと考えてるの?」
なんて、うるさいコト言ってたっけ…。
別に答えることでもないけど、わたしはベッドの中で、なんかムラムラしたときに自分で慰めてしまう。
ネイルしてるから、膣内に入れたりはしない。
なんとなく良かった雰囲気を思い出しながら、コリコリってクリトリスを刺激しちゃう。
元彼とのことを思い出しながら、つい、オナニーは見せたことある、って答えた。
そしたら、彼がわたしのアソコを急に撫でた。
「やん!」
「今してよ! 俺にもオナニー見せてよ。」
「やだぁ! 普通にエッチしようよ。」
「そうやって元彼には色々なエッチ仕込まれて、調教されてたくせに、俺には見せてくれないんだ?」
「調教なんてされてないよぅ…たまたまだって。」
言い訳しても、彼は全然聞いてくれない。
それどころか、どんどんいろんなこと聞いてくる。
「濡れやすいのだって、元彼にしこまれただろ? 俺とはじめてエッチしたときも、すげ~濡れる娘だなって思ったけど。実は潮吹きとか仕込まれてたんじゃね?」
「そんなことないって…でも、凄く濡れててエッチだって、喜んでたじゃない?」
「あの時はさ…調教されまくってるなんて知らなかったし。今は…もう嫉妬しかないね。」
そんなコトで嫉妬されても、困るんですけど…。
「他にはどんなことしたの? 青姦したことあるんじゃね?」
「う…ん…。しようって話題になったことはあるけど…でも、人がいない場所が見つからなくてできなかった。」
「ほら…ヘンタイ調教されてるじゃん。俺とは青姦したいなんて話題にも出さないくせに。」
「でも、クルマでしたでしょ? 人に見られるかと思って、すごく興奮したよ。青姦みたいなものじゃない。」
クルマと青姦は違うって、彼は訳の分からない理屈を言う。
それじゃ…と彼が問いかけた。
「おしりでしたことある?」
驚いちゃった。
おしりなんてしたことないし!
ていうか、おしりは排泄する場所で、入れる場所じゃないし!
「じゃあ、おしりは処女なんでしょ?」
「う…ん…」
「俺…おしりの処女欲しい」
彼がわたしをバックの体位にした。
おしりを捕まれて、むぎゅっと広げられる。
ちゃ…。
あそこが開いたエッチな音が聞こえた。
「お願い…おしりの処女…俺に処女捧げてよ」
熱い吐息を感じたとき。
ぬりゅ!
おしりの穴が舐めあげられた。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。