官能小説~女子的夜話~

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【第84話】昼呑み 1

2017.6.1

彼と映画に行く約束をした。

たまの休みの平日の昼間。話題のミュージカル作品だけど、平日昼間なら、さすがに空いているだろう。

でも、映画って時間を合わせるのが面倒くさい。

作品ごとに上映開始時間が違うし(そりゃそうだろうけど…)、上映10分前でないと館内に入れないし(ロビーで待つのがうっとうしい…)。

だからといって、ギリギリに行くのは怖い。

わたしは映画は最初からきちんと観たい!

というわけで、ちょっと早めの待ち合わせにした。

丁度天気は良いし。街をぶらついて、ランチしてから映画館という流れを考えていた。

なのに!

彼は妙な提案をしはじめた。

「映画館ってビール高いだろ?ビールのLで800円って、居酒屋のジョッキより高いし!」

だからさ、と彼は言った。

「ここ、ランチビール安いし。映画までちょっと呑んでいかない?」

…って、まだお昼だよ?

わたしは映画はお酒なしで、ちゃんと観たい。

でも、ミュージカルとか…彼は退屈なのかな?

それに、800円のビールは確かに高い!

なら…。

「ちょっと寄っていこうか!」

ということになった。

安売りで有名な巨大雑貨店の向かいの地下に居酒屋があった。

そのお店の売りはビールが激安なとこ。

お店の看板にはおつまみの宣伝がいろいろ書かれている。

リーズナブルなお値段。

看板をみている私をおいて、彼はお店に通じる階段をズカズカと下りていく。

昼間っからお酒なんて…と思う反面、休日なんだなぁ~という解放感を感じる。

地下のお店だけに、店内はちょっと薄暗い。

店内は、ほぼ満席。昼間っからお酒呑む人って、こんなにいるの?

おじさんが多い印象を持っていたけど、結構女性客がいる。

お年を召した女性もいれば、ご夫婦(かな?)、また女子会らしきグループもいる。

店内は混んでいるため、私たちはロフト席へ通された。

ロフト席は、プチお座敷な感じで、足を中途半端に崩すことができる。

ロフト席は他にお客もいないので、私たちは隣り合って座った。

地下の店内は窓がないため、とても昼間とは思えない。

みんなガヤガヤと会話を交わし、呑んでいる。

彼は早速ビールを注文した。

わたしは…ウーロン茶にしようかなぁ~と思ったけど、彼に合わせてしまった。

昼間っから乾杯!

彼はジョッキを、ほぼイッキ呑みした。

学生かよ!ていうか、今のご時世ってイッキ呑みってNGなのでは?

わたしがチビチビ呑んでいると、彼は二杯目も飲み干してしまった。

こんなペースで映画大丈夫なのかな?

彼が私の太ももに手を置いた。

下のフロアから見えるわけもなく、彼はたわいのない会話をしながら、ゆっくりと私の太ももを撫でる。

膝頭から、指先を立てて、ゆっくりと太ももの付け根の方へ…。

ゆっくりと…太ももに手を這わせる。

スカートがまくれるが彼は気にしない。

股の付け根に近づくにつれて、指をももの内側へとずらす。

そのまま指は根本に近づく。

指の側面が、わたしのアソコに当たる。

「んっ!」

おもわず声がでてしまった。

最近、エッチしてなかったし…

こんなに多勢いる、お店の中で、触ってくるなんて…

彼の指はあれているのだろうか?

ストッキングに、わずかに引っかかるような感触。

ももの付け根のふくらみに沿って、手をゆっくりとすべらしている。

私はまわりが気になってしまい、彼のイタズラに集中することができない。

彼は、

「ん…なんか湿度が高くない? 蒸れてる気がする」

なんて、イジワルなことを言う。

でも、自分でも分かっている。

アソコ…濡れている。

すべらしてた手を止め、指先でアソコをかき上げるような刺激を与えてきた、

「ふ…ん…」

直接的な刺激じゃないのに、クリ●リスがビリビリと痺れる。

こんなんじゃ、刺激が足りないよぅ…ショーツも、ストッキングも履いているのに。

アソコ…閉じてるし…クリ●リスだって皮に覆われてる。

なのに、もどかしい刺激がじんわりと広がっていく。

内ももを走る、くすぐったいような刺激と、もっと強く、直接刺激されたい欲望が入り交じりだす。

その時、トントントンと新たなお客が階段を小気味よく上がってきた。

さっと彼は手を引っ込める。

私は、バレないように、こっそりとスカートの裾を正した。

「そろそろ出ようか?」

彼がニヤリと微笑む。

私は顔が赤いに違いない。

でもそれは、お酒のせいだけではないだろう。

つづく

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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