人通りのない田舎道のバス停で、数分後に来る予定のバスを待っていた。
半袖のニットに黒のタイトスカート。髪は後ろで一つに結び、伊達眼鏡をかけた。トレンチコートを脱いで手に持ち、しきりに腕時計を確認する。
やがて、1台のバスが砂ぼこりをあげて近づいてきた。乗客はまばらだったが、席には座らず、降車口近くの手すりに掴まった。
バスが走り出し、窓の外に穏やかな田園風景が流れる。2つ目のバス停で数人の男性が乗り込んで来た。席は空いているが、つり革に掴まっている人の方が多かった。しばらくすると、背後に不自然な気配を感じ、身体を強張らせた。
私のお尻に下半身を押し付けている男がいる。タイトなミニスカートはサイズが合わずパツパツで、大きなお尻をより強調していた。後ろの男性は、私のお尻の割れ目に股間を擦り付け、耳元で荒い息を吐いた。
(お尻に、硬いのがあたってる…)
私は胸を高鳴らせていた。
数週間前、アダルトチャットで仲良くなった人に、
「一度でいいからAVみたいに乱交したり、痴漢プレイをしてみたい」
とこぼしてみたところ、その人が痴漢役を買って出てくれた。バス停と日時を指定され、服装は薄手のニットとピチピチのタイトスカートを着用し、下着はノーブラとTバックで来るように言われた。
町を歩く時はトレンチコートを羽織ったが、その下で痴女のような姿をしている自分に興奮し、プレイ前なのにTバックをじんわり濡らした。
私は誘うようにお尻を突き出し、男の股間にさらに押し付けた。私の乳首はもうずっと硬くなっていて、薄手のニットに膨らんだ乳輪の形までくっきりと浮かび上がっていた。
男は下乳を弾くようにして。タプタプと震わせた。ニットによって乳房の形がより強調され、先端の突起も目立っていた。
(ああっ、他にも人がいるのに恥ずかしい…。でも、もっと触られたい…)
ふいに、両側から腕が伸びてきて私のおっぱいと太ももに触れた。
「っ…!?」
両脇に立っていたマスクの男性2人も、私の身体をまさぐり始めた。痴漢役の男は1人ではなかったのだ。
(うそ…3人もいるなんて聞いてない…)
1人は片方の乳房を鷲掴みにし、1人はニットの中に手を入れて直接乳首をつまみ、もう1人はお尻から内腿を執拗に撫で回した。何本もの手が、同時に私の身体の柔らかい部分を責める。それは痴漢もののAVで、いつも憧れていたシチュエーションだった。
(でも、こんなことしたら周りのお客さんが…)
周りを見渡すと、バスの乗客は全員男性で、3人の痴漢に揉みくちゃにされる私を凝視していた。座席で自慰を始めている人や、身を乗りだして直今にも参加しそうな人もいる。
(みんなに見られてる…!)
そう思うと身体の底がカッと熱くなり、さらに愛液がにじんだ。
乳房を鷲掴みにしていた男の手が、私のニットを捲って胸を露出させた。そして、ぷっくり膨らんだ乳輪とその真ん中で硬く勃起した乳頭を、わざといやらしい音を立てて舐め始めた。
「あっ…んんっ!」
腰をくねらせ、Tバックをちらちらと他の乗客に見せつけた。
もっと見て…。
もっと触って…。
私の肉は、男たちに弄ばれる喜びにうち震えていた。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。