彼とDVDを見ていた。
映画の内容は、なんかぁ…ヒロインが友達の代わりに若手イケメン社長の取材に行ったら気に入られて。社長から口説かれて付き合うようになって。ところが社長には変な性癖があって…という感じだ。
イケメン社長の性癖が映画のポイントらしい。
その性癖。
社長は、おしりを叩くのが好きだった。
「スパンキングって言うんだよ、おしり叩くこと」
彼は当然っ!という感じで解説してくれた。
モニタの中では、ヒロインが腕を拘束されていた。
おしりをこちらに向け立っている。
そして、イケメン社長は幅広の木で、ヒロインのおしりを叩いた。
パシン!パシン!
画面から乾いた音が轟く。
わたしは…正直、ワケが分からなかった。
こんなプレイして、何が楽しいの?
痛いだけじゃない?
おしりぶたれて感じるなんて、ありえなくない?
ていうか…握り拳で殴り出しそう…って、それじゃただのDVだよね?
つーか、サイコパス?
わたしは映画のヒロインに全然共感できなかった。
普通のエッチシーンの時は、光と影のコントラストが効いていて凄く綺麗なシーンだったのに。
外人のおっぱいってハリがあるというか…なんか入れてんの?ってくらい見入ってしまってたのに。
おしりを叩き出して興ざめした。
映画では、おしりを叩くシーンが何度も繰り返された。
そして、ヒロインは社長を受け入れられないことを悟り…
ついに社長のもとを去っていった。
そんなエンディングだった。
映画が終わると彼がおしりを撫でてきた。
「ねえ…おしり、ちょっとこっち向けてよ…」
おしり叩くのはアレだけど、エロい映画だったから彼ったら興奮しちゃったのかな?
わたしがバックの体位のように、膝立ちで両手を突いて、おしりを向けた。
彼はスカートをまくり上げ、ショーツ越しにおしりをなで回す。
「さっきの映画で興奮したんじゃない?」
彼は、そういいながらショーツをずらした。
「やだ…シャワー浴びてないから…」
おしりに彼の熱い吐息を感じる。
「スゲー、エッチな臭いがプンプンしてる」
「ヤダ…サイテー」
「いつも灯り消されちゃうから…今日はおしりの穴も、アソコも丸見えだよ」
「ヤ…ホント、サイテー!」
彼にこれ以上アソコを見られないように逃げようとしたけど、腰をがっしりと捕まれている。
それどころか、おしりをつかんで、むりやり広げようとする。
チャ…。
「スゲー、エッチな音してる」
彼はおしりをグイグイと広げてくる。
その度に、チャ…クチャ…とエッチな音が、かすかに聞こえる。
「いつもと違って、凄く濡れてるじゃん…さっきの映画見て興奮したんじゃね?」
「そんなコト…ない…」
「こんなにスケベな臭いさせてなに言ってんの?」
シャワーを浴びていないアソコを明るいところでまじまじと見られるのは恥ずかしい。いくら彼でも、何度もエッチしてても、やっぱりまだ恥じらいはある。
彼が指を伸ばし、わたしのアソコの敏感な部分をつついた。
「やん!」
思わず声をあげていた。
「ほら…やっぱり、いつもより濡れてるよ」
彼は割れ目に指を沿わせ、ゆっくりと上下に刺激してくる。
わたしのエッチなお汁があふれ、彼の指先に絡む。
ゆっくりと何度も割れ目を撫でて、たまに、クリトリスを刺激する。
「ふぁ!」
自分の愛液のせいで滑らかな刺激が走った。
「イヤラシいなぁ…こんなに濡らして…映画で興奮してたんだろ?」
明るい所で見られてるせいだと思うよ。
わたしにも…ちょっとMなトコ、あるのかもしれない。
彼が離れ、ジッパーをおろす音が響く。
バックの体位のまま、おしりをムギュッとつかまれた。
アソコが広げられ、彼の熱い物がこすりつけられる。
「ん…ん…ダメ…挿れて欲しくなっちゃう…」
ビラビラが乾いた感じで擦れる感触。
だんだんと、彼のオチ●チンが滑らかになっていく。
先っぽをワザとあててくる。
「んあ…」
アソコに、入りそうな…でも、わざと挿れないような…イジワルな動き。
そして…。
グッと体重がかかった。
「ああっ!」
アソコに割り込んでくる感触。
ゆっくりと前後にイヤラシい動きが始まる。
わたしの中で、ゆっくりと動く。
そして。
突然、グッと奥まで突き上げられた。
「はぁ!」
そのまま彼は動かない。
こんなのイジワル…じらさないでよ。
「なぁ…俺もおしり叩いていい?」
え?と思った瞬間。
パァン!
乾いた音が室内に響く。
ひりつく痛みが、体内を突き抜けた。
つづく。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。