彼とドライブをしている。行き先は彼の家族が所有している別荘。高速道路を飛ばし、有名な避暑地の名前の付いたインターで降りる。
ところが、そこからが大変だった。高速を降りると、まさかの峠道。激しい登り道、険しいカーブ。そして、今度は長い下り道。登り道よりも下りの方がカーブはきつく感じる。
私は助手席の窓際に付いている手すりにつかまっていた。子どもの頃、母はよく、この手すりにつかまっていた。なんでこんな手すりにつかまるんだろうと子供心に不思議に思っていたが、今はその気持ちは分かる。
彼は運転しているからハンドルにつかまっている。そのため、カーブで身体が流れることがないのだ。
でも、私は違う。右へ左へと、カーブのたびに身体が流される。足を踏ん張ってもどうしようもない。結局、手すりにつかまるしか手段がないのだ。
長いワインディングロードを抜けると、大型ショッピングモールに着いた。駐車場は、ほぼ満車。家族連れやペットを連れたお客さんで賑わっている。有名ブランドのショップが並び、フードコートもある。
彼は「どのブランドが好きなの?」とのんきに話しかけてくるけど…私は…ワインディングロードのせいでクルマに酔っていた。気持ち悪い。頭が痛い。座りたい…。
彼は私の手を引き、ショッピングモールに隣接している緑豊かな公園へと向かった。木々に囲まれ、芝生の先にはキッズ向けのレクリエーションエリアが設置してある。子ども達の甲高い声を聞きながら、私たちは木陰のベンチに腰を落ち着けていた。
ペットボトルのお茶を飲み、ほっと一息。ぐったりとした私は、彼の肩に頭を預け、
「ごめんね…せっかく連れてきてくれたのに…」
と謝りの言葉を投げる。
「いいよ」
と言いながら、彼は私の頭を撫でる。けれど…正直、肩に頭を預けても、なんだか座りがわるい。ていうか、首が痛い。
だから座る位置をずらし、彼の太ももに頭を預けてみた。ちょうど膝枕のような感じ。こっちの方が、まだ楽かな? しばらくそのままでいた。
どれくらいそうしていたのだろう? 軽く寝落ちしていたみたい。私は後頭部に違和感を感じ、ぼんやりと目覚めた。
それほど時間は経っていない感じ。遠くから子どもの声が聞こえてくる。その時、後頭部に何かがうごめいた。
「ん…なに…?」
彼を見上げると、イタズラな笑みを浮かべている。彼はこういう笑顔の時、ろくなことを考えていない。この時も、
「ごめん…勃っちゃった…」
と言いながら、ワザとオチ●チンに力を込めた。後頭部に勃起したオチ●チンが、ズボン越しにうごめく。
「んもう…最低…」
「ちょっとだけフェ●してよ」
「無理でしょ。人いるし捕まっちゃうよ」
「大丈夫。この辺りには誰もいないし。ガキはあっちだから親も来ないよ」
この人は公共の場でオチ●チンを出すことに恥じらいはないのか? と、まじまじと考えてしまう。なのに一度気になってしまうと、ズボン越しにオチ●チンのムンとした蒸れた匂いが漂っているように感じてしまう。
私は身体を入れ替え、彼の下腹部の方に顔を向ける。顔をちょっとずらし、彼に微笑む。
「だーめ…」
「お願い…ちょっとだけ!」
彼は腰を浮かした。そのせいで私は地面にすべり落ちそうになり、慌てて彼にしがみつく。そんな私を助けようともせず、彼はズボンを下へとずらしている。改めて腰を落ち着けると、彼はウェストのボタンを外し、ジッパーを下げた。
「ちょっと、なにしてるの!」
「誰も見てないから、ちょっとだけフェ●してよ」
ずり下げられたズボンの、だらしなく開いた股上から、ボクサーショーツがわずかに盛り上がっている。ムンとした臭いは一段と強くなったように感じる。
「んもう…人が来たら辞めるからね」
「当たり前じゃん…俺、人に見せる趣味ねーし」
なら、するなよ! と思いつつ、ボクサーショーツの前窓からオチ●チン取り出す。
勃起してるけど、角度がいまいちなのか、先っぽの方しか顔を出さない。皮はかむったままだ。
私はいつも、お菓子の『パピ●』みたいだなぁ~と思う。オチ●チンの先っぽの、皮の余ったところに鼻を近づける。ツンとした、オシッコの残り香のような刺激と、オチ●チン全体が蒸れたようなムンとした臭いを嗅ぐ。
正直、臭いと思う。でも、この何とも言えないすえた臭いが私は好きだ。ちょっとだけ変態なのかも、と自分でも思う。
周りは明るいけど、彼の身体でオチ●チンには影が差している。陽の光りでオチ●チンを見たら、どんな感じなのかな? と、ちょっと残念な思いにかられる。
彼のオチ●チンの余りの皮を、ゆっくりと引き下ろす。すぼまっていた皮がムキムキっと開き、ピンク色の先っぽが顔を出し始める。
包茎(彼は仮性だと主張するけど…)のオチ●チンは、臭いから嫌だとよく言われる。でも、私はこの臭いがいい。こんなにキツイ臭いのオチ●チンをしゃぶるんだ…という、言いようのない背徳感に痺れてしまう。
洗ってないオチ●チン、高速道路のパーキングでオシッコしたオチ●チン、その先っぽに私はそっと口づけする。
チロっとピンクに蒸れた先っぽを舌先で刺激する。言いようのない塩味が舌先に走る。亀頭を覆う皮の間に舌先を滑り込ませる。変態だな…と思う。
遠くで子どもの声が聞こえる。さわやかな風が頬をくすぐる。木々の隙間からさす日差しが肌を刺激する。高原のリゾート地で、私は彼の包茎オチ●チンを舐めている。車酔いも忘れ、ワザとツバを垂らしながら、包茎オチ●チンを舐める。
口いっぱいにほおばりたい。頭を上下に動かしながら、ツバを絡めて、ジュボジュボとエッチな音を立てたい。
私の中の変態がエスカレートしそうになる。でも、その時。
「人が来るから!」
そう言って、彼は慌ててズボンを直した。
んもう! 根性ないのなら、最初からこんなところでするなよな!
不完全燃焼な私たちは、彼の別荘へと場所を移すことにした。
つづく
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。