官能小説~女子的夜話~

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【第90話】精子の味 その1

2017.9.7

女友達と居酒屋で飲んでいたら、たまたま、あっちの話しになった。

えっち話。

友達は結構フランクに、自分の性体験を話す。というより、愚痴に近いかも。

私はもっぱら聞き役だ。彼はいるし、いろんなえっちもしているから、ネタに困る事はない。

けど、友達も別に会話がしたいわけではなく、いま思いついたネタを話したいだけに違いない。

けれども、友人のネタは濃い。膣イキができないとか、おしりでしたとか。ちなみに友達は、おしりの中に出されると、翌日お腹を下すそうだ。

友人の彼氏は、お腹を下したかどうか確認してくるらしい。それで「下した」と話すと、無茶苦茶よろこぶそうだ。その彼…Sっぽい。

今日の話しも唐突にはじまった。きっかけはゴーヤチャンプル。ビール飲んで、ハイボール飲んで、梅サワーを飲んでいたころだ。注文したゴーヤチャンプルが出てきたので、ひとくちつまんだ。

「あ~苦い! ゴーヤチャンプルって苦いよね」

と私が話すと、彼女は、

「苦いと言えば精液でしょ」

と返した。私は思わず、

「え? あれって苦いの?」

と聞き返していた。

「苦いじゃん…ていうか、彼氏の苦くないの?」

「私…飲んだ事ない」

「うそ、マジ? なんで? ていうか、フェ●しないの?」

「フェ●はするよ」

「大きい?」

「ん…小さい方だと思う。前のヤツ、ほら、K大の。あれはでかかった」

「どれくらい?」

「なんか、先っぽがデカイの。フェ●してて、アゴが疲れるくらい」

「え~いいなぁ~。一度くらいデカイのとやってみたいな」

「え、痛いよ。でも私はでかいのより、長い方が好きかも」

「今彼は長いの?」

「ん…ひょろ長い。500円玉くらいしか太くないクセに、なんか長いの」

「へ~長いんだ~」

「長いよ~。お腹に当たる感じ」

「マジ? 膣イキできる?」

「できる。ていうか毎回お腹に当たって痛いくらい」

「長いんだ~。私は普通の長さだな。あ、てか何で飲まないの?」

「だって、なんかイヤじゃない?」

「私は飲むけどな。なんか愛おしいジャン」

「彼さ、包茎だから、なんかね」

「包茎ってくさくない?」

「そんなに臭いはキツイ方じゃないと思うけど…臭い」

「だよね~。なに? 臭いから飲まないの?」

「だから、イヤなの」

「元彼のは飲まなかった?」

「ん…飲んでない」

「でも飲んでとか言われない?」

「言われる。全力で嫌がった。ていうか、飲むより普通にセックスする方が気持ちいいし」

「ウチの彼、手抜きセックスだし。早漏だし。そのくせ、ゴムは嫌がるし」

「うわっ、やばくない?」

「やばい。だからフェ●しちゃうんだよね」

とりとめもなく猥談を続ける。

私はフェ●は好きだ。

彼のは臭いけど、皮をずり剥いて、チン●の裏側の筋を舐めたり、軽く歯を立てると、彼が声を漏らすからフェラは辞められない。

でも、それだけだ。チン●が好きで好きでたまらない訳じゃないし。前に口に出された事はあるけど、ティッシュに吐き出した。

「なんで飲まないの?」

と彼が聞いてきたから、私はキスをした。

口に残っているツバを、精液がまじっているツバを彼の唇に流し込んだ。

「うわっ! 汚ね!」

手で口をぬぐい、汚れをシーツで拭いている彼に言った。

「汚いって思っているのを飲ますのってどうよ?」

それ以来、彼が精液を飲まそうとすることはなくなった。まぁ…自分で嫌な物は彼女に飲ますべきじゃないよね。

でも、私にも気になる事はある。それは、

「精液ってどんな味すんの?」

友人は、

「よくわかんない…でも、苦い感じかな?」

「へ~苦いんだ」

「濃い~感じの人もいるし、うすい感じの人もいるけど、だいたい苦い感じかな?」

「濃いとか、うすいとかって、脂ぎった人は濃いとか、法則あるの?」

「う~ん…ホントかウソかは知らないけど、肉好きは濃くて苦い、魚好きは生臭い、とか聞いた事ある」

「自分のとは結構違うのね」

「自分のって…。あんたオナニーして自分の舐めたりしてるの?」

「違うって。イッたあとにお掃除フェ●させられたときに、自分のってなんか塩っぽなって思ったから」

「ああ、そういうことね。確かに塩っぽい人もいたかもしんない」

「ていうか、随分飲んでるのね?」

精液の話でお腹いっぱいになってしまった。

そして、ほんの少しだけ、彼の精液は苦いのか?

興味がわいてしまった。

つづく

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藍川じゅん

元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。




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