「ああ…初めてなのにお尻の穴にこんなに入っちゃったよ。にこちゃんはお尻の穴もエッチなんだね」
私の肛門は、ピクピク震えながらピンク色の球体をいくつも咥え込んた。
COMさんは射精したばかりの陰茎をゆっくり擦っている。アナルビーズを半分まで挿入すると、COMさんはそれをゆっくりと回し始めた。
下腹部に、体験したことのない奇妙な感触がぞわぞわと走る。
「は、あうっ…や、ああっなにこれっ」
「大丈夫大丈夫、すぐ慣れるから。抜き差ししてみようか」
「かは…あっ、すごっやああっ」
アナルビーズを根元で回転させながら、先端まで引き抜いては再び挿入する。
「ぐ、うっ…やめ、ゆっくり…ゆっくりしてぇっ」
連なった球体が腸内を這いずり回り、苦しさと気持ち悪さと快楽で、ほとんど叫ぶように身悶えた。
「ひいっ…いい、ああっ、お腹っ…かき回さないでえっ」
「ほら、もういつのまにか根元まで飲み込んじゃったよ。お尻も気持ちいいでしょ?」
「あ、うぅっ、ち、ちが、は…ああっ」
違う、とは言い切れなかった。どうしようもなく気持ち悪いはずなのに、お尻をズプッズプッと攻められるたび、
体の底から熱い塊がせり上がってくるのを、確かに感じていた。
「こんなに喜んでもらえて嬉しいよ、にこちゃんの乱れてる姿見てたら、僕また硬くなっちゃった」
先細った陰茎が、再びピンと上を向いていた。私はこの切ない違和感をどうにかしたくて必死だった。
「はぁっ…も、入れて…! このまま入れてぇっ…お尻イタズラされるたびに、おまんこがトロトロになっちゃうの…!」
「ああーっ、嬉しいよ、今にこちゃんの淫乱なおまんこにおちんぽさしてあげるからね」
COMさんは私の体を裏返して後背位にさせ、アナルビーズをピストンさせながら、自らの男根を一気に突き立てた。
「ふ…はあああっ」
「あーすごい…にこちゃんさっきより興奮してるんだね、お尻そんなに気に入っちゃったのかな? 奥がキュッとしておちんちんを求めてるよ」
「ふあっ、あっんっ、そうっそこっ! はあっ…そこ突き上げてっ」
「お尻とおまんこいっぺんに擦られてるのわかる?」
「わかるっわかるの、すごい、壁っ、壁に擦れてるっ…! もっと、もっとしてぇっ」
さっき絶頂にたどりつけなかった分、私の体は快楽に貪欲になっていた。異物で腸壁を掻き乱される屈辱さえ、激しいオルガスムの一因になっていた。
「あっ、いいっ…お尻擦られるのいいっ…気持ちいいっ、いくっ…もういくっ」
「いいよっ…にこちゃん、いっていいよ…っ」
「あうっ、あっ、あうっ、はあああっ…ん!!」
頭の先から電流を流し込まれたようにビリビリと体が痺れ、のけ反った。しばらく体が大きく痙攣したが、COMさんは腰の動きを止めなかった。
「はっ…あっ、やめ…止まってぇ、今いってる…いってるからぁ」
「あーさっきより子宮の入口にコツコツあたってるよ。気持ちよすぎて僕もう腰が止まらないよ…っ」
「あっ、やだやだやだまたいくっ…いくっ…もうやめっ、いやっ、いっ…く、ああっ!!」
2穴を責め続けられ、私はその日初めて性交中に失禁してしまった。
「ああ…最高に気持ちよかったよ…僕たちきっと最高に相性がいいんだね」
汗ばんだ体を抱き寄せ、COMさんが優しく頭を撫でる。
早漏の豚のくせに…と、小さく舌打ちをする。男に頭を撫でられるとイライラするし、セックスの直後に体をくっつけるのも好きじゃない。COMさんの体はベトベトして臭いがキツいので、早くシャワーを浴びてきて欲しかった。
「これで僕とにこちゃんは彼氏と彼女だね」
コムさんの歯が黄色く黄ばんでいる。
私は絶望を感じることすら面倒臭く、
「そうだね」
と静かに微笑んでコムさんのたるんだ体に腕を回した。
藍川じゅん
元ピンサロ嬢。アダルト誌にてコラム連載中。著書『大好きだって言ってんじゃん』(メディアファクトリー)が好評発売中。