現役デリヘル嬢のリアル体験~地獄でほっとけ~

現役デリヘル嬢のリアル体験 地獄でほっとけ!

【第49話】「潮を吹かせるお客さん!?」

2015.8.11

「わっー!気持ちいいの?すげーよ!すげーよ!」

《ピュ、ピュ、ピュ》

「やだ、ダメー、はずかしいー!イクぅー!」

糊のきいたラブホのシーツに、お客さんの施す指マンによってクジラのように吹き出した液体が湿る。

いわゆる所の『潮』である。

しかし、「イクぅー!」という単語はあくまでリップサービス。いくら『潮』を吹いたところで、エクスタシーなど感じる訳がない。けれど、お客さん(世の男性)は誤解しているところがある。

多分、AV(アダルトビデオ)の見過ぎ。感化されている。執拗な指マンによって意図的に噴かされた『潮』自体は不快そのもの、なのだから。(別に気持ちよくもない)

あたしは、いいのか、悪いのか、わからないけれど、どうやら、もの凄いこと『潮』を噴いちゃうオンナで、潮吹きに成功したお客さんは、

「すげー、すげー!」と、歓喜の声を上げ、躍起になり潮を吹かせる。なので、こっちは、げっそり。白目

皆が皆、吹かすことはないのだけれど、オンナ慣れしているお客さんはツボを知り得ているので、ちょっぴり、水道のスイッチを押しただけでも、吹いてしまい、やっぱり、「すげー!すげー!」と雄叫びを上げる。

フーゾク嬢に潮を吹かせたぞ!という自己満しかり、俺ってば、テクニシャンだぞ!という誇示。いらんなー。そんなテクニックてばさ。

なんて思いつつ、吹かされまくるあたしである。

あたしの『潮』デビューは遅く、デリヘルに従事するようになってから。それもお客さんに吹かされ、自分自身が、驚嘆。それ以降、吹く体質に。

初潮吹きがお客さんなんて滑稽な話しだけれど、その時のお客さんは、あまり、ひどい指マンはしなかったな。そーいえば。

「あ、ここだね」

そう、小声で囁き、あたしは、

「え?なにが?」

不明瞭な囁きに背筋が冷たくなった。その刹那、膣の奥。もっと、詳しく言えば、向かって左側。

そこを押されたら、ジュルリ、ジュルリと、生暖かいものが降りてくる初めての感覚があり、あたしは、「やだ!」と腰を引いた。けれど、お客さんは辞めてはくれずに、あたしの腹を持ち上げて膝立ちさせ、膣内を撹拌しだした。

「え?」

グチュ、グチュと濁音がしたと思ったら、ドバーと、液体が垂れてきて、お客さんの手をひどく汚した。下のシーツにも水溜りが出来ていて、あたしは始めての感触に、気味悪さと、えー!あたしでも潮吹くんだー。という、相違な思考が綯い交ぜになり、お客さんに訊いてみた。

「これって……」

「そう、潮だよ。」

さらりと言われてしまった。あたしは、質問を重ねる。

「誰でも吹くんですか?」

「うーん、俺がやると、大概のオンナのコは吹くかな。けれど、強引に奥に指を突っ込むだけじゃあダメなんだよね。優しく、時には強く。そして……」

そして?そしての続きは意外な台詞だった。今も忘れない。

「愛情」

と、言った。

え?愛情?あたしさ、デリヘル嬢なんだけれどね。お金で時間を買われてるデリヘル嬢だよ。言おうとした。けれど、辞めた。

お客さんはさらに続ける。

「デリヘル嬢だって、オンナのコでしょ。俺はいつも、嬢に対して真摯に接しているし、潮を吹かす、吹かないとかは別件だよ。どっちでもいいの。本当はね。でも、愛情と優しさがないと、潮を吹かすなんて出来ないねー」

ふーん。ぼんやりと訊いていたけれど、確かにお客さんの指づかいは優しくって、愛情も交じっていた気がする。

デリヘル嬢もなんら変わりない普通のオンナのコだよ。そう言われ、ちょっぴり嬉しかったことを思い出す。

今では、潮吹きのプロになったあたしだけれど、元は、この真摯なお客さんがあたしの身体を変えたんだよね。そう思慮すると、フーゾク嬢もまんざらではないなーと思う次第だ。笑

次回は、「あやのお悩み相談室」デス。

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藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。




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