みやぎさんの足の裏はボロボロに皮が剥けていた。
ふくらはぎにオイルを垂らし滑らせているときも、足の裏が気になってしょうがなかった。
だけど全身くまなくマッサージしますと謳ったエステ。足裏が汚かろうがやらないわけにはいかない。
あたしは小さいタオルを持ってきて、足の裏に手が触れないよう、「ここどうですかぁー」と、扁平足でボロボロの足の裏を抑えながら、「あぁ、ここが痛いなら生殖器が弱っていますねー」などと、ありきたりなことを言いつつマッサージをこなす。
「うー、痛てて、アヤちゃん、う、うまいねぇ。痛気もちいいね」と言って、喜悦を露にするみやぎさん。
どうでもいいけど、水虫っぽい足の裏だけは気をつけないといけない。同じように風俗エステで働くのオンナのコは、手に水虫が伝染ってしまい、大変な目にあった。危ないと感じたら対策を考えるのも嬢の仕事だ。脚が終わり、「四つん這いになって下さい」とあたしは夢うつつのみやぎさんを起こした。
「恥ずかしいなぁー」薄暗いので表情は分からないが、羞恥心は少しも感じられなかった。お尻を突き出し、待っていました!と言わんばかりの滑稽な格好の男。
あたしはお尻の割れ目に温感ローションを垂らしてゆく。
うううっ、嘆息交じりの愉悦の声音が痛々しい。
キュキュッと、薄手のゴム手袋をはめる。「それじゃ始めますね」
ゴクリと、静寂な部屋で唾を飲み込む音がした。みやぎさんは眉間に皺を寄せつつ、お尻への愛撫を心待ちにしている。
ローションを指にたっぷりと塗り付けて、お尻に人差し指を挿入した。腰が浮く。
「もっと、奥、もっと、もう1本入れて下さい」みやぎさんは、指を挿入した瞬間、M男性に変貌した。
あたしは、人差し指と中指を挿入し、前立腺を責め立てる。
「ここ?ここがいいの?」静かにささやく。
「あー、そこ。そこを、もっと、刺激して下さい!」
みやぎさんは前立腺マッサージをこよなく愛している。ネットでこの風俗エステ店を見つけてあたしを指名した。
あたしの肩書きは『性感マッサージ・あや“S嬢”』だ。
意外と知られていないが、男は前立腺だけでもイケる。
「じゃ、このまま仰向けになって」。四つん這いから仰向けにさせ、両足を持って足を広げさせる。みやぎさんの容貌が上気し、頬が紅い。
あたしは、2本指で前立腺を刺激した。
とんでもない大声をまくしたて、チン○も触ってないのに、射精をした。ぐったりとしたみやぎさんは天井を仰ぐ。
「アヤちゃん、今度はチン○でイキたいからさ、いい?」
こいつ~。なんて強欲?
「はい、じゃ、もう1回ローション垂らしますね」
あたしは、ゴム手袋を外し嘆息を混じりに始める。喜んでくれるなら何回でもやりますよ。あたしは『性感マッサージ師・アヤ』だから。
次回は「危険!風俗嬢の怪我」デス。
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藤村綾
風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。