デリヘルだけじゃないけど、風俗にはいろいろなお客さんが来ます。
「あ!この人わりとタイプ。ラッキー」と思うお客さん。
「ゲゲゲ、チャラいし、若い、えー」と苦手に感じてしまうお客さん。
「なんだろこの人」と何だかよく分からない素性を醸し出したお客さん(白目)。
人間だもの。そりゃさ、デリヘル嬢にだってタイプはある。
けど、わたしのタイプは見た目ではなく、“雰囲気”がタイプかどうか。
うーんと若くて風俗の仕事始めたばっかりのころは、「あーラッキー、イケメンだし、超タイプ♡」などと、邪(よこしま)な気持ちで接客をしていた時期もあった。
そりゃあそうだ。イケメンで清潔感のあるお客さんなんてついたら、手を合わせて神様に感謝したもの(誇張し過ぎ?)なので、サービスも自分のタイプによって変えていた。
が、今は違うんだなぁー。現在のタイプは冒頭で書いた“雰囲気”なのであります。
雰囲気というと抽象的ですが、会った瞬間分かるのです。
顔はどうでもいいの。分かる?何が?それは、
「あ、この人なら仕事じゃなくて本気になれるかも」という根拠のない確信。
そしてベッドに入っていざプレイをしますと「あー、やっぱり、この仕方いいわ」と大体当たります。デリヘル嬢として長年培った目と言いますか。想像は外れることなく、わたしはそんなタイプのお客さんには喜んで、本気の仕事をいたしますわよ。
帰り際「良かったよ」と言われ、わたしも嘘でなく本気で「わたしもです」と右手を差し出し握手を求めます。お客さんもお別れの握手。そして、エンド。
ホテルのエレベーターに乗るとき「あー、よかったな」と思わせてくれるお客さんが、タイプな人なのです。
見た目ではない。顔が良くても身勝手極まりないお客さん。
ベッドに入ってからも、痛いっつーのに「どだ!いいだろ!」と自分の自信満々(下手)なテクを乱暴にしてくるお客さん。んもう、顔も身体も悪くないのにもったいない。
それじゃ彼女も逃げるわ、と。言わないけど言ってやりたい!
こんな自己満足だけのお客さんは言語道断。プレイもおざなりになるわー!
でもこんなお客さんに限って、まったく分かってないんだなー。「どだ!」という根拠のない自信。自分のテクの無さに。
「全然よくないし、むしろ嫌われるタイプですよ」言えやしない。けどここで言わないと他の風俗嬢にも同じことを繰り返すので、やんわりと注意する。
「『あー、やめて、感じ過ぎちゃうー』て風俗嬢が言ったらさ、『痛いから辞めて』って言う意味だと思ってよね」と。
「そうなんだ。あやちゃんもさっき『やめてー』って言ったよね」
「うん。だって本当は痛かったんだもの」
って感じで非難と受け取られないように言いましょう。
したら「あ、ごめんね」と謝ってくれるので。
風俗で遊ぶのは結構ですが最低限のマナーは守って遊んでくれないと、身体が持たない。なのでタイプのお客さんてものは自らが教育して作っていかなくてはならないのであります。
「あ、すごい愛撫うまいよね」とか「今日の洋服おしゃれだね!」とか、「えー、もっと若く見えるぅー」とかゲップが出そうになるくらい、褒めて、褒めて、理想のタイプのお客さんに仕立て上げましょうネ。
お客さんはどこまでいってもお客さん。本当はタイプかそうじゃないかでサービスを変えてはいけないので。あしからず。
次回は、「生理のときの仕事どうしてる?」デス。
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藤村綾
風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。