365日マネー女子宣言！（サンロクゴ）の現役デリヘル嬢のリアル体験～地獄でほっとけ～-第73話「セックス依存症と風俗嬢」-

風俗のお仕事はセックスをするわけではない。

挿入をしない、擬似セックスだ。

デリヘルに限らずですが…様々な風俗業種は“口”あるいは“手”が女性器のかわりになる。

そうなんだけれど、一糸まとわぬ姿で男性と抱き合うのは、セックスとなんらかわりはない。

正直、デリヘル嬢として素股をしていて、あ、こりゃーまずい！と、何度も焦ったことがある。

が、デリヘル嬢の仕事は挿入ではない。

挿れる、挿れない、の押し問答に辟易しながらも、あたしは、お客さんからの打診を制しつつ、日々働いている。

あたしは、デリヘルバイトのあと、必ずといっていいほど、好きな人とセックスをしないと気が済まないたちだ。何度も求めてしまう。

デリヘル嬢に限らず性的サービスをしている風俗嬢って、男性に食傷気味になるのがほとんどだと思う。

チン◯を見るのもいや！という風俗嬢も少なくはない。

が、あたしは違い、逆に、好きな人とのセックスを欲してしまうのだ。

抱きしめて欲しい。お客さんに触られた身体を清めるように包んで欲しい。

それがエスカレートし、セックスをしないと、どうにかなりそうな時期がある。

風俗嬢がセックス依存症だなんて、まあ、全く好都合じゃない！

などど、男性には思われるかもしれません。

が、これは死活問題。好きな人とセックスが出来なくなった場合。

お客さんが自分にマッチした人だったら…理性を抑えないと、仕事にさしつかえます。

幸いあたしは、そんな場面に出くわしたことがない（そんな都合のいいお客さんはいないー）ので、不幸中の幸いかも。

セックス依存症はセックスをしないと精神的に崩壊してしまう怖い病気。

ただのエロい女とわけが違います。

セックスでしか自分を表現出来ない、女として必要とされるのが一番明確に分かるのがセックスなのです。

なので、つい相手を探してしまう。出会い系だったり、ナンパだったり。

風俗バイトを始めた理由も『セックスが好きだから』という嬢もいます。

風俗のバイトはセックスこそはしませんが男性から必要とされるところは全く同じ。

セックスと風俗嬢は奥深いところでリンクしている様に感じます。

風俗のお仕事は、“男性のことが好き”がまず筆頭にきて、後はお喋りが好き。奉仕が好き。人間が好き。でないと出来ません。

でも男性が嫌いだから、風俗嬢をしているよ。

なんていう嬢もいました。

嫌いなのになぜ？彼氏に振られ、見返すために風俗バイトを始めたと。

うーん。動機がアバウトすぎて、目を剥きましたが、彼女は続けてこう付け足します。

『彼氏を見返すのもあるけれど、実はね、本当はね、寂しいからかもしれない』

正直な返答です。彼氏と別れ、他の男性との恋愛が一番いいのだけれどなかなかね。そう簡単には好きになれるわけでもなく。

安易な感じで風俗バイトを始め、心の傷が癒えないかもしれないけれど男性に対する憎悪がうまく消えるといいかなと。

彼氏と別れたあとの寂しさって、身体を重ねられなくなった寂しさでもあります。

好きな人との逢瀬は精神安定剤。

風俗嬢はセックスだけでなく、何かに依存しないと出来ない仕事なのかもしれません。

けれど、度が過ぎてしまうと、病気になったり、リスクも大なので、自分の意思をしっかり持ち、強くならないといけないですね（自分に言い聞かせています。笑）。

寒さがピークです。

風俗嬢の皆様。うがいや、手洗いをこまめにし体調に気をつけ風俗バイトに勤しんでね。

次回は、『見せる身体』です。

藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。