現役デリヘル嬢のリアル体験~地獄でほっとけ~

現役デリヘル嬢のリアル体験 地獄でほっとけ!

【第9話】いろいろなお客さんno2

2014.10.7

デリヘルのお仕事って新規の場合、顔も性格も分からない男性の元に身1つで行く訳です。って当たり前なのですが、よーく考えますと怖い話です。

いくらお店を通してホテルに行くにしてもそりゃーしりごみします。

長年風俗業に従事しているプロ(あはは、自分で言っちゃう的な)なわたしでも未だ扉を開けるまで気が気じゃありません。
ホテルならまだしも自宅となるとまた一段と切迫感に襲われ警戒します。

自宅に行きたがらない女の子って多々いますね。

一番の理由が『汚い』がダントツ。

わたしの記憶の中で超?汚部屋の方は寝床意外全て缶ビールの山になっていました……。
後、水虫の薬が剥き出しに置いてあったりして。
プレイをする度『ガチャガチャ』ってアルミ缶があたるから笑えました。
(笑い事じゃなイー!! )

で、さっさとプレイを終わらせ一緒に片しました。

「いやー綺麗になったよ。ありがとね」って。フフフ。あのー。わたしは家政婦ではありませんが。とチラッと思いつつ(うん、片付けてあげるのもプレイの一環では?って。笑)

てか、自宅に呼ぶならね、部屋を綺麗にしてから呼んでよ!!

わたしは汚い自宅に行ったら『汚い』とはっきり言う!!

「よく呼べるよね」って。

そして必ずお客さんの言う台詞が

「え?そんなに汚い?」と。
すっとぼけたことをほざくので
「片付けてからシャワーしようよ」と言い、そのお客さんと一緒にコンビニにたわしや、洗剤等を買い出しに行き、暑い最中一緒に掃除しました。

これは最早デリバリー家政婦。笑

風呂釜もカビだらけだったので綺麗になったらお客さんも悦びそのままプレイにもちこんでまた悦んでいただき、一石二鳥!!
が、倍疲れました。ふぅー。

汚い部屋のくだりはもうおしまいにし、自宅に呼んでくれたある眼鏡のデブの物語をお話いたします。始まりー、始まりー。

「ピンポ?ン」とインターホンを押す。

「○○から来ました、綾です」

「あ、はい今開けます」
いやに、太い声のお客さんだ。

鍵が開くとそこには…100キロ位ありそうな、背の高い30代位のお客さんが!(眼鏡をかけていたがなぜか曇っていました。)

部屋に入る。

見た目は悪いが部屋は意外に綺麗。ラーメンの匂いが鼻を付いた。

「ど、どうぞ」
そう言いわたしをワンルームのベッド脇に誘導し座らせる。

「……」言葉が続かない。
わたしは
「あ、ラーメン食べていたんですね、食べちゃってくださいよ。で、何分にします?」満面の笑みを向け彼に言葉を継いだ。

「……120分で」
きっと飾り気がなく静かな人柄なんだろう。
それ以外の会話がそこで途切れてしまう。(ってかこんな無口で無愛想で、不細工で、デブで、120分?死んじゃうー、嫌?)

既に帰りたかった。

店長に電話を入れる。
「120分で」

電話を切った後、お客さんにわからない様ショートメールで
『嫌なお客さんだから10分前コールを15分にして!!』
指の動きが見えない位の素早さで、付け加え打った。

『了解』と店長からの即レス。

(はー)溜め息を押し殺し、

「シャワーに行きますか?」
と、安藤(仮名)をシャワーに誘う。
ラーメンを啜りながらこくんと首を縦に振りラーメンの器を流しに置いた。

手招きで指をくいくいってやり、シャワーはこっちと言わんばかりにわたしを指で呼んだ。
ここまで安藤(仮名)と会話したのは
『120分で』のみ……。

本当に嫌。

わたしこの後ちゃんとプレイ出来るの?こんな巨体と。相撲をとれるの?
脳内メーカーを今やってみたら(哀)が全てだろう。

わたしは狭いユニットバスの傍らで洋服をいそいそ脱ぎ始めた……。

続きは次回!!

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藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。




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