現役デリヘル嬢のリアル体験~地獄でほっとけ~

現役デリヘル嬢のリアル体験 地獄でほっとけ!

【第70話】「生粋のM」

2016.1.26

通常のデリヘルの場合。プロフィール欄に『ややMです♪』や、『Mだと思います』や『どMです』などど、大概書かれている。

以前従事していたお店では、あたしのプロフィールは、

どSです。虐められたい男性!まいさんは、(以前の源氏名は、まいでした。)生粋のSです!満足させます!』

まあ、なんてこと、大袈裟に書いてくれましたね。

もう……。そう、あたしは、『どS』なんですーぅ。

と、いいたいけれど、本当は逆。あたしこそ『生粋のM』です

はぁ?どういうこと?

首を傾げたくなる、この件。

なぜ、本当のことを書かなかったのか。

それには、訳がありまして。

風俗遊びをたしなむお客さんは、必ず、プロフィールを閲覧します。

お客さんにとっての、女の子の情報源は、ネット以外にないです。

なので、隈なく、チェックをし、自分の嗜好に見合う子を見つけます。

まあ、確かに、SM専門店に行けば間違いないのだけれど、風俗遊びに慣れているお客さんは、いかにも、ザ・風俗嬢!な風貌ではなく、素人っぽくってすれていない子を求めがち。(わがまま)なので、SM嬢でもない、普通のM嬢や、S嬢を求めるのであります。

「店長?、あたし、本当はものすごいMなんですよ

面接の日に店長に告げた。

店長は、ああ、と、あたしを値踏みしつつ、口を開いた。

「見た目からして完全にMだよね。見てわかるもの。Mで売ってもいいかと思うよ」

確かにM嬢・新人で売り出せば、集客間違い無しだと、あたしも思った。

けれど、

「Mって書くと攻められるじゃあないんですか? もちろんのこと」

店長は、まあ、そうだよね。でも、Mなんでしょ。

あたしは、首を振りながら、たよりなく、ささやくようつぶやいた。

Mなんですが、攻められるのはいやです。なので、攻められることが少なげなS嬢ということで売ってください!」

ああ、そういうことね。店長がうなずきながら、納得の表情を見せた。

専門店だと、Mコースは高額なため、あまり需要がないときく。

でも、通常のデリヘルで、『どMでーす』などど、謳ったものならば勘違いをした、Sなお客さんにあたってしまうかもしれない。

身体が資本だ。無理な強要をされ、Sな行為をされたら、たまったものではない。けれど、『Mじゃあ、ないのか』と、突っ込まれたら、身も蓋もない。

結局あたしは、『生粋のS』で売り出されることになったのだけれど。

ふふふ。

これまた、Mなお客さんの多いこと。多いこと。

あたしは、根幹がMなので、Mのお客さんの気持ちがわかる

たっぷりと可愛がってあげましたよ。

えー!どんなふうに?具体的に!このお話は次回ねー!

今現在は、Mでも、Sでもなく出勤していますが、やっぱりMなので、時折Mの匂いを察知するSなお客さんにあたると、決まってこう言われます。

「生粋のMだね……」

演技ではなく、あたしは、涙を流し、お客さんに嗜虐的なことをされても、プレイが終われば平然と帰る。

お客さんは『いやー、演技でもよかったよ』と、おっしゃいますがねー

あたし、演技できないですから。

風俗遊びでも、涙を流し、従事するデリヘル嬢にあたったら、お客さんもさぞかし、満足じゃあないかしら。昔のあたしでは、できなかったことでも今は平気でできるから慣れって怖いわー。

ってことで、次回は、『Mなお客さん』です。

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藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。




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