この問を投げかけてみますと、
「嫁は嫁。風俗は風俗」
「だって、いろんな女の子と遊びたいじゃん」
「んー、現実逃避ってやつ」
「仕事でまったく女っけないからさ」
「嫁じゃ、勃たねーし」
と、多種多様な答が返ってきます。
実際は既婚者と独身者の風俗利用の割合はだいたい半々だと思います。
風俗はお金を介しているので浮気じゃない!と、言いますけど、「じゃ、奥さんにさ、風俗行ってきたって、堂々と言えるの?」と少々意地悪なことを言うと、頭を掻きながら、「いやぁー、それは言えないね、最低限のマナーじゃね?」とかw は?
お金を使っているので、奥さんにバレたらそこを咎められるのでしょうかね?やっぱり。
なので無香料のソープがホテルに置いてあるんですかね。
わたしは顔も知らない奥さんの悪口、もしくは惚気を無責任に聞くのが大好き。奥さんもまさか旦那がデリヘル嬢に自分のことを話しているなんて、微塵にも思わないでしょう。
話がそれましたが、わたし的に、客は既婚者の方が燃えますね。白目
なぜ?人のものだからです。わたしは、生粋の愛人タイプ。オトコのパンツを洗うより、脱がす方が好き。え?
「デリヘルは第三空間なんだよ」と、あるお客さんが言いました。
「えっ?どーいう意味なの?」
「うーん、逃げ場ってのかな。その場で割りきれるし、癒し空間ってやつ、癒されない時もあるけれどね、ハハハ」
ふーん。そのお客さんが言うには、第一空間が自宅、第二空間が仕事場。そして第三空間がデリヘルらしいです。
家と仕事との往復にうんざりして忙しい合間をぬってのデリヘル遊び。もちろんプレイもしますがそれだけじゃない。家では吐けない仕事の愚痴。嫁さんには言えない仕事の悩み。お金で買っているデリヘル嬢なのだけど、親身に聞いてくれて適切な返答をしてくれる嬢もいる。そこで自分の中の鬱積したものを、上から下から吐き出すことによって、新たな気分で家に帰ることができる。
戯言かも知れないけれど、人間は皆、レールに沿って生きている。皆、時間に追われて日々を過ごしている。特に既婚男性は、家族サービスに嫁の相手。仕事も忙しくって、息を抜くところがない。
なので居酒屋で管を巻くのも分かります。でも酒だけじゃまかなえない部分もある。聞いて欲しいことがある。デリヘルはそのような場でもあるのです。事実、既婚者の悩みは忠実に伝わってきます。プレイ後の清々しい顔。
「そのスッキリした顔で家に帰るんですか?」。帰り際、何気に聞いてみる。
「車に乗って家に帰るころにはもとに戻ってるよ」
わたしは「ありがとうね」と甘い声でお客さんに抱きつく。その、家庭の匂いの染み付いた、洋服の匂いがやけに即物的に感じて「あたし、愛人みたいじゃん」なんて、思ってしまう。まあ、これも悪くないけれど。
既婚者でも独身者でも、風俗という場はただ欲望を吐き出すだけの場ではない。第三空間(非空間)なのだから。デリヘル嬢は話を聞いてあげるのも仕事と思っています。新聞を読み、ニュースなどもチェックしておくと話が弾むはずです。
次回は「好きな人ができた場合、風俗嬢を疎ましく思うか?」デス。
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藤村綾
風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。