現役デリヘル嬢のリアル体験~地獄でほっとけ~

現役デリヘル嬢のリアル体験 地獄でほっとけ!

【第13話】お客さんとの恋愛

2014.11.4

「えー、お客さんにメアド教えてんの?」

「だって営業メール打つじゃん、綾さんは?教えないの?」

「あたしは教えないよ」

毅然とした口調で5歳年下の雅ちゃんに言う。

なぜわたしがお客さんにメアドを教えないか?

それはー。
めんどくさいから♪
ただそれだけでやんす。

携帯を『プライベート用』と『仕事用』にきっちりと仕分けしているコもいるようですが、

キャバ嬢じゃないのでいちいち二台持ちはあまり聞かないかな。笑

疑似恋愛の世界だよ。

金銭だけの関係ですよ。

メールで甘い言葉を打ち込み、

【出勤してるよー。良ければ呼んでね♡】

とオキニの嬢からメールが来たら

【わかった!!呼ぶよ】

になる訳じゃないですか?

まあ、時間とお金があればの話ですが。

わたしのお勤めしているお店のオンナのコ。マシロちゃん。

ロリフェイスの色白な小顔美人。

人気もあり出勤すると直ぐ予約で埋まる強者。って、わたしは自宅待機なのでマシロちゃんを見たこたーないんですが。ははっ。

店長に訊いた話。

そのマシロちゃんファンの常連S。こいつがまー凄い。

月の給料全部マシロちゃんに費やすらしく、本人曰く【マシロ依存症】と嘆き、店長に

「俺を出禁にして下さい!!お願いします。このままじゃ、俺破産します。止めてくれる人がいないと。もう……」

と声を震わせながら乞うたのです。

笑えるー。

この時点でSは察したのでしょう。破産するって。

っていうか、もう遅いけどねー。

だって一ヶ月もしないうちにまた店に電話掛けてきて

「あのー、そのー」

と口籠もりながら

「マ、マシロちゃん……」

と言ったらしいです。

店長も呆れて笑っちゃったらしい。

Sさん。貴男はもう当分はマシロちゃんから離れることは出来ないですよ。フフフ。

マシロちゃんの可愛いお顔で見つめられたら誰でもノックアウト。

そんな嬢になってみたいですね。

わたしに限っては見た目もツンケンしているので怖がられます。苦笑 が、そんなわたしにも風変わりなお客さんがつくことがあり、話が合ったりして何度も呼ばれると

ほろっといってしまうことが多々あります。

(あ、ヤバい。これ以上この人に会ったら好きになっちゃう)

と察し、店長に

「あのお客さんはもうNGにして」

と自らNG客にします。

んー。大体3回呼んでくれ(あ、いいなー)と思惑したら会わないようにする。そう決めています。

変わってるね、とよく言われます。笑 が、好きになりかけてしまったお客さんにお金を頂くことに罪悪感と寂寥感が湧くのです。

笑わせてくれ、話を聞いてくれ、挙げ句優しい愛撫をくれ、わたしも逆に癒されたのに、お金を頂くことに心痛を感じる。

こーなったらダメ。

会わない。

情が映ってしまう前に先に退散です。

「メアド教えてよ」

そう、何度も言われます。

もしここで教えていたら間違いなく店外で会うでしょう。

ましてやわたしが好きになってしまいそうな相手ならば……。

だから誰にも教えないのはそこもあるのです。

営業メールなんてしなくてもお客さんは良ければ呼んでくれますし、かえってメールすることにより誤解を招きかねません。

ストーカーに豹変したりしますし。

疑似恋愛の世界。

バーチャル恋愛。

ゲームの中の恋愛ゲームと割り切って風俗遊びはしないといけませんね。が、生身のオトコとオンナ。

実際何があるかわかりません。。

人の恋愛を誰も咎めることは出来ないのです。

究極の接客業。風俗。

裸になり何もかも晒す訳ですから勘違いもするけどねー。

次回は『デリヘル店の電話番をしてみたよ!!』
です。

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藤村綾

風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。




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