わたしの彼はデリヘル店の店長さんです。
淘汰の激しい風俗業界。
目まぐるしく面接に来るオンナのコ達。
彼はこの業界にウン十年と携わっているベテラン。
ですがぁー。
「ねえー。今まで店のオンナのコにさー、誘われたことないの〜?」
「お店のオンナのコに惚れちゃったことは?」
「ぶっちゃけオンナ好きなの?」
「わたしは?綺麗な人見過ぎてやっぱりブスがいいんだね」
あ、これはわたしの卑屈な心の声です。あははー。
と、お付き合いした当初訊いたことがあります。
まず、『誘われたことあるの?』
「あー、あるよ、飲みに誘われてね、ホテルに連れてかれそうになった」
涼しい顔をして毅然と話す彼。
「俺と特別な関係になれば仕事を優先してつけてくれるって思うんじゃない?」
ふむー。そうかも。
店長と深い関係になっちゃえば、仕事も率先してつけてくれるかも知れませんが、
「他のオンナのコよりも特別な存在なんだー、あたし」
みたいに思い、店長に会いたい為にあくせくと働きます。笑。
まー、これが所謂、色管。(色管理)
「お前だけだよ。抱いてやっから」
と、優しくして働かす。
フーゾク嬢は基本淋しがりやさんが多い!ましてやお店の店長に優しくされたら、そりゃーまー、頑張っちゃう訳ですよ。
でも、彼は
「俺は色管はしたことないよ。そんなことする位ならそれ以上に仕事をつけてやればいいんだし」
と言い、
「後、めんどくさい」
と、ボソッと言いました。笑。
彼曰く、
「1人と寝たら全員と寝ないと直ぐばれる」
って。
え?全員って。笑。
店長とそういう関係になって内緒ね!って言っても…
言いますよね。オンナって。オンナはお喋りだもの。苦笑。
他の知り合いの店長も
「店長~一度だけ抱いてください!」
…と懇願され、一蹴しても
「店長、今1人ですか?お金持っていきますんでー」
って。
しつこく誘ってくる嬢がいるそう。
この店長も
「あー、めんどくさい」
と嘆いていました。
が、この嬢は意外に稼ぐ嬢なので、そっぽも向けないし、構うとうざいし…と頭をかかえていました。
だよねー。わかりますよ。
『店長』と言う肩書きはモテるんです。
容姿云々、オンナは『特別』に弱いからねー。
店長と深い仲=『特別』みたいな。
しかし『店長』と名のつく方に多々お会いしましたが、皆、口を揃え、
「ぶっちゃけ、めんどくさい、きちんと働いてくれればいい」
と、同じことを言っていましたよー。
目まぐるしく来るオンナのコに一々『オンナ』を意識していたらこの商売は成り立ちません。あくまで商品なんでしょうね。
『お店のオンナのコに惚れたことは?』
「ない」
はい、即答。笑。
が、他の店長に訊いた話し。
「あるよー、初心なコでね、フェ○もしたことなくて、講習して教えたら、なんか可愛くなっちゃて……。もしかして惚れていたのかも、今思うと……」 と。
このようなケースもあります。
フーゾク嬢と店長が結婚した。と良く訊く話し。
こんな感じで愛が芽生えるのかも。
職場が風俗店なだけで、普通の企業でも職場結婚ありますから。
それと同じ類いなんじゃないかな。
基本、フーゾク店は『社内恋愛』は御法度なのですが。
知らず知らずの間に『店長とデキてた』とかありますしねー。
本当はいけないことですが……。
わたしも彼の店に従事しているオンナですが、出会いは別の形だったので他のオンナのコに内緒とかないんですが。笑。
でも、
「綾—、仕事行ける?」
と電話が来ると微妙—な感じ。ハハハー。
続きは来週〜。
「店長は女好きなの?」と、わたしがどうして彼のお店で働くようになったのか?デス!!
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藤村綾
風俗歴15年。現役デリヘル嬢。風俗ライター。『俺の旅』ミリオン出版にて『風俗珍講座』連載中!日々炯眼な目で人間観察中。